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09月25日-06号

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  1. 熊本県議会 2013-09-25
    09月25日-06号


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    平成25年 9月 定例会               第 6 号              (9月25日)  平成25年  熊本県議会9月定例会会議録     第6号平成25年9月25日(水曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第6号  平成25年9月25日(水曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第25号まで) 第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第25号まで) 第4 請願の委員会付託 第5 休会の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第25号まで) 日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第25号まで) 日程第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第47号から第49号まで) 議員提出議案の上程(第1号及び第2号) 質疑 討論 議決 日程第5 休会の件    ――――――○――――――出席議員氏名(45人)            甲 斐 正 法 君            橋 口 海 平 君            九 谷 高 弘 君            緒 方 勇 二 君            前 田 憲 秀 君            杉 浦 康 治 君            泉   広 幸 君            東   充 美 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            浦 田 祐三子 さん            山 口 ゆたか 君            渕 上 陽 一 君            磯 田   毅 君            早 田 順 一 君            田 代 国 広 君            森   浩 二 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            重 村   栄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            西   聖 一 君            鎌 田   聡 君            松 岡   徹 君            井 手 順 雄 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            早 川 英 明 君            平 野 みどり さん            小 杉   直 君            城 下 広 作 君            氷 室 雄一郎 君            大 西 一 史 君            荒 木 章 博 君            堤   泰 宏 君            岩 中 伸 司 君            前 川   收 君            鬼 海 洋 一 君            村 上 寅 美 君            西 岡 勝 成 君            山 本 秀 久 君欠席議員氏名(1人)            佐 藤 雅 司 君  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    村 田 信 一 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  田 嶋   徹 君     総務部長   岡 村 範 明 君     企画振興部長 錦 織 功 政 君     健康福祉部長 松 葉 成 正 君     環境生活部長 谷 﨑 淳 一 君     商工観光労働            真 崎 伸 一 君     部長     農林水産部長 梅 本   茂 君     土木部長   船 原 幸 信 君     会計管理者  伊 藤 敏 明 君     企業局長   河 野   靖 君     病院事業            向 井 康 彦 君     管理者     教育委員会            米 澤 和 彦 君     委員長     教育長    田 崎 龍 一 君     警察本部長  西 郷 正 実 君     人事委員会            鷹 尾 雄 二 君     事務局長     監査委員   松 見 辰 彦 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   長 野 潤 一     事務局次長            後 藤 泰 之     兼総務課長     議事課長   佐 藤 美智子     審議員兼            鹿 田 俊 夫     議事課長補佐     参事     小 池 二 郎    ――――――○――――――  午前10時1分開議 ○議長(藤川隆夫君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(藤川隆夫君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 緒方勇二君。  〔緒方勇二君登壇〕(拍手) ◆(緒方勇二君) 皆さんおはようございます。自由民主党・球磨郡選出の緒方勇二でございます。 ことしは、秋の実りが大変早いような気がいたします。1週間以上早くて、もう稲刈りが始まりました。せんだっての連休には、三十三観音めぐりにたくさんの方がおいでいただきまして、遠くは鹿児島あるいは私が出会いましたのは福岡のほうからもおいでいただきました。本当にありがとうございました。 それでは、第3回目の質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 最近のゲリラ豪雨など、頻発する一連の異常気象を見ますと、異常ではなくて常態化しているのではないかなというふうに感じております。そういう思いの上から質問をさせていただきたいと思います。 1つ目に、県南振興における治水、防災について。治水対策の重要性について伺いたいと思います。 熊本市が政令市となり、分家ともあるいは弟が一本立ちしたとも言える政令市誕生でありましたが、その過程でますます一極集中が進むのではないかと、懸念の声を打ち消すように、新幹線全線開業及び政令指定都市移行ビッグチャンス、波及効果をその他の地域に最大限に生かすと、知事は事あるごとに決意を述べてこられました。 2期目への挑戦として、幸せを実感できるくまもとを掲げ、1期目の決断の政治、スピードの政治、目標の政治、信頼の政治など、いわゆる4つの姿勢に基づき4つの約束を実行すべく、県民幸福量の最大化に向けた県内各地域の将来像を示されました。 選挙公約であります新4カ年戦略の一つに、県南振興の起爆剤としてフードバレー構想を掲げて、2期目のスタートを切られました。私も、僣越ですが、町議時代から、県南振興の基軸は、八代港の持つポテンシャルを最大限に生かし、アジアに打って出るべきと考えておりました。世界に目をやれば、いずれ世界は食料大増産を声高に叫ぶようになる、そのときに、日本の農業の技術力、安心、安全な日本の農業の果たすべき役割は大きいと、自信を失いつつある農業に対する執行部の姿勢を議会でただしたことを思い起こしております。 今回、八代市長選挙で、前副議長でありました中村博生先生が見事に当選をされましたこと、改めてお喜び、お祝いを申し上げます。私も、微力ながら街頭に立ち、何ゆえに球磨郡選出の県会議員が市民の皆様にお訴えするのか、県政発展の礎は熊本の雄都である八代の再生に尽きる、市民の皆様の賢明な御判断であるけれども、その前に県民の皆様の賢明なる御判断をと、お願いをさせていただいた次第でありました。くまもと県南フードバレー構想の実現に向けて弾みがつく御当選であり、期待はますます高まるばかりであります。 また、小野副知事を竜頭として、くまもと県南フードバレー推進協議会が設置され、県南地域を初めとした方々に入会をいただき、動き始めたところであります。あわせて、県南広域本部では、身近な相談窓口を設置いただき、実現に向けて加速体制を整えていただいている状況にあります。 私の周りの農業者、商工業者、林業者の皆様方も、フードバレー構想のあることをよく御存じで、多種多様な農林水産物などを生かした食品、バイオなどの研究開発機能や企業の集積を目指す構想に関して、お話をいただく機会によく恵まれます。特に若い人たちから、期待をする声をいただきます。柔軟思考の農業者、あるいは営業のできる農業者と言ったほうが適切かもしれませんが、食関連の企業の進出を待ち望む声をよく耳にいたします。ぜひとも空手形にならぬようにお願いをいたしたいと思います。知事が、小野副知事に期待値を超えろとおっしゃったそうですが、期待をしております。頑張ってください。微力ながら加勢いたします。 ここまでが県南振興に期待を寄せる思いであります。 続いて、さきの井手先生の代表質問、溝口先生の一般質問にありました川辺川ダム問題についてでありますが、ダム白紙から5年目の節目を迎えておりますが、今日まで、法的位置づけのない任意の協議の場でありますダムによらない治水を検討する場が、9回の会議と4回の幹事会が開催されてまいりました。検討する場での検討結果及び具体的な案が示され、最終判断のときが迫ってきていると感じております。 また、五木の再建問題にしても、国、県、村の再建を協議する場が開催され、検討を重ね、平成23年6月には、特措法との関係もあり、当面の対策として、現行法のできる範囲で合意を得たところであります。また、9月9日には、第7回の協議する場が開催され、水没予定地の利活用の方向性、村がまとめた利活用計画をたたき台にして、占用区域や施設・占用主体を協議することとし、早ければ14年度中に営利活動が可能とのことであります。 今申し上げましたとおり、ようやく白紙撤回から5年目にしてこの状態でありますが、白紙撤回は、知事の1期目の公約、決断の政治、スピードの政治だったのでしょうか。4つの姿勢以外に、対応の政治というものもあると、世界同時不況、口蹄疫など、新たに発生した課題に対処されたことを回顧されておられます。まさに3つの混乱の1つ、川辺川ダム問題は、その苦難の歴史に鑑み、熟慮に熟慮を重ねた対応の政治の判断で事に当たらなければならなかったのではないでしょうか。 さらに、目標の政治であります県政発展のため欠くことのできない県南振興、フードバレー構想を成就させていく上で、治水問題が阻害要因になりはしないのか、治水問題解決の道筋と県南振興にそごが生じているのではないか、治水安全度の低い流域に企業が進出、集積するのでしょうか、企業経営のトップが進出の立地条件など最終判断をする場合に、治水安全度の低い1級河川があるとしてリスクを回避するのではないでしょうか、以上のような心配や疑問を感じております。 そこで、県南振興における治水対策の重要性について、改めて知事のお考えをお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私は、県全体の浮揚には県南地域の振興が不可欠であると考え、食品、バイオなどの研究開発機能や企業の集積などを目指すくまもと県南フードバレー構想を策定し、推進しています。 県南地域は、豊富な農林水産物や2つの高速道路と新幹線など高速交通網の結節機能、さらには、アジアに向けた物流の拠点としての八代港など、高いポテンシャルを有しています。そのため、農業や食品産業などへの進出を考える企業に対して、これらの魅力を広くPRしております。 これまでのところ、県が企業誘致活動を展開する中で、球磨川の治水安全度が企業進出に影響を及ぼした事例は聞いておりませんが、企業誘致を初め、県南地域の振興を図る上で、地域が安全、安心であることは大前提だと考えています。 現在、国においては、河床の掘削や堤防の整備など、すぐにできる対策を着実に進めていただいております。 県としては、今後とも、流域の治水安全度を向上させるため、国と流域市町村との連携のもと、ダムによらない治水を検討する場をできる限り早く取りまとめ、河川整備計画の策定段階に移行できるよう、力を尽くしてまいります。 あわせて、流域市町村が行う防災・減災対策の充実強化を図るため、財政支援を行う方向で検討することとしています。 今後、県南振興の観点も十分に意識しながら、ハード、ソフトの両面から球磨川水系の治水対策にしっかりと取り組んでまいります。  〔緒方勇二君登壇〕 ◆(緒方勇二君) 知事に御答弁をいただきまして、認識は全く同じだと思いますが、片方でローカルな価値観に基づいて川づくりを行う、あるいは片方ではやはり地域振興、県南振興を推し進めていかなければならない。しかし、今回のダムによらない治水を検討する場で、治水安全度が明らかに低いということが判明して、まあそういうことに尽きるのではないかなというふうに思います。そのことが、随分と心配や疑問を今後もまたずっと抱いていくんじゃないかなというふうに考えております。とりわけ、流域の最大受益地であります八代に新市長が誕生され、県南振興に邁進される新市長のダムによらない治水対策を検討する場における発言が注目をされるところでもあります。 また、先般の溝口先生の質問に対して、市町村ソフト対策に対する財政支援を検討することを表明されたことはありがたいことと、感謝を申し上げます。 また、球磨川本川の最上流部であります市房ダムの有効利用でありますが、ダムによらないと言いながら、既存のダムには頼る。もちろん、今あるものの有効利用は理解はいたしますが、水特法もない時代に、下流域のためと苦渋の決断をされ、ダムとともに生きていくと決断され、今日の少子高齢化の闘いのさなかでも、元気で、水源を涵養しながら果敢な挑戦をされている水上村に――エネルギーの地産地消の最先端を行く村でもあります。球磨南部の利水面積3,000ヘクタールを潤すダムを持って53年の村に、新たな振興策をもって最大の敬意を払うべきではないかとも思っております。それこそ身の丈に合った振興計画をお持ちでありますので、よろしくお願いいたします。 さらに、知事は、五木村に白紙撤回の説明には行かれましたが、白紙撤回を受けて国は中止を表明し、特措法も廃案になり、五木村の再建は待ったなしの状態にあります。ダムに翻弄された五木村は、ダムのことを早く忘れたいと願っております。信頼の政治と言うのであれば、なおのこと、この5年目の節目として、やはりきちんと謝罪に赴かれるべきではないでしょうか。でなければ、昔、建設合意文書法的拘束力を持たないものだと、子供に大人の約束は破るためにあるものだと教えているようにも感じます。納税率県内一番を誇る五木村の声と受けとめていただきたいと思います。 次の質問に参りたいと思います。 消防団員の確保についてお尋ねをいたします。 消防組から、戦後、消防団と名称が変わりましたが、制度ができてことしで120年目の節目を迎えたそうです。1950年代には200万人を超えた団員数も、昨年4月時点で87万4,000人まで減少し、総務省消防庁が必要な人数とする100万人を大きく下回る状況です。減少傾向には歯どめがかからず、地域防災の屋台骨が揺らぎかねない状況にあります 県においても、平成14年時点で3万8,000人余りから、本年で3万4,000人余りと、減少傾向であります。原因として、人口減少、少子高齢化、産業・就業構造の変化、被雇用者の増加、つまり自営業者の減少があるとして、対策として、機能別分団分団員制度の導入、女性消防団員の入団促進、消防団協力事業所表示制度の導入の3本を柱として、地域の実情に応じて推進されておられます。さらに、県工事入札参加資格審査格付において、優遇制度も実施をされておられます。 また、団員処遇改善として、消防団員の安全確保対策の推進、東日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団活動のあり方などに関する検討会最終報告における提言を受けて、報酬及び出動手当の見直し、退避ルールの確立、装備、教育、訓練の充実、隣接地域への広域応援推進などを市町村に要請されています。 さて、昨年の豪雨災害時に、球磨郡も甚大な被害をこうむりましたが、発災現場に行かせていただきますと、懸命の活動状況に頭が下がるばかりでありました。河川の氾濫で家屋に泥土が堆積し、除去作業に活動されておられましたが、広域の応援体制の充実を強く感じた次第でした。 自営業者、いわゆる農業の担い手なども含みますが、多く存在する地域では、退団年齢が30歳代、次々入団してくるので、責任ある立場を若い者に譲ります、地域の担い手養成機関ですからとの答えでありました。他方で、住宅密集地、独居老人が多数おられる町中のほうが、団員確保がままならない状況にあります。また、非正規労働の方々で、団員として長らく消防団活動に従事しておられ、勤務シフトなど変則であるけれども、有事の際に精いっぱいの活動をされておられます。 そこでお尋ねですが、消防団員の確保、処遇改善のため、団員報酬及び出動手当の改善はできないものか。非正規労働者正社員登用時の消防団活動実績社会貢献実績加点として盛り込めるよう、企業に啓発あるいは要請できないものか。 消防団協力事業所表示制度が20市町村で導入済みとのことですが、表示制度がある市町村の事業所で、制度のある市町村の消防団員を雇用している事業所だけが協力事業所として表示される状況にあり、他の市町村の消防団員を雇用していても、協力事業所として表示されないところもあるやに聞いております。制度運用のあり方を是正すべきと考えますが、以上2点について、総務部長にお尋ねいたします。  〔総務部長岡村範明君登壇〕 ◎総務部長(岡村範明君) 消防団は、地域防災のかなめとして重要な役割を担っており、昨年7月の熊本広域大水害においては、延べ8,500人を超える消防団員が懸命の救助活動や避難誘導に当たり、多くの方々の命が守られました。また、平時においても、地域に密着したきめ細かな活動を展開されるなど、地域の安全、安心な暮らしを支える組織として、なくてはならない存在となっております。 しかしながら、御指摘のように、全国的にも消防団員が減少する中、全国で5番目の団員数を有する本県においても、年々少しずつ減少しているのが実情であり、団員確保のためさまざまな方策を講じております。 お尋ねの1点目の消防団員の報酬と出動手当につきましては、市町村の条例で定められておりますが、本県の平均額は、九州各県の平均よりも低いのが現状でございます。 県としては、消防団員の活動に報いるため、また消防団員の確保という観点からも、市町村に対し、処遇改善を要請してまいりました。 こうしたことから、平成23年度から3カ年の間に、11の市と町で報酬または手当の引き上げが実施され、また、5つの市町村では、活動時の安全確保のため、装備などの充実が図られております。今後とも、さらに多くの市町村において改善が実施されるよう働きかけてまいります。 また、正社員登用時の消防団員の評価につきましては、それぞれの事業所の判断ではありますが、厳しい訓練で培われた忍耐力、規律性は高く評価されるものです。さらに、地域の行事等において、リーダーとして活躍する姿がもっと社会的に評価されれば、就業等においてプラスに働くものと考えております。 県としても、住民や事業所に消防団の役割や活躍をしっかりと理解し評価していただけるよう、国や市町村とも連携して、広報やPRに努めてまいります。 お尋ねの2点目の消防団協力事業所表示制度についてですが、制度を導入する市町村も徐々にふえており、現在20市町村で導入されております。そのうち7つの市町村では、既に、他の市町村の団員であっても、認定の対象とする運用がなされております。 ただ、多くの消防団員が他の市町村に通勤している現状を踏まえますと、市町村の垣根を越え、県下全域で制度の効果が得られる必要がございます。このため、さらに多くの市町村で制度が導入され、運用面においても柔軟な対応がなされるよう、市町村に働きかけてまいります。  〔緒方勇二君登壇〕 ◆(緒方勇二君) 今総務部長よりお答えをいただきました。 自主防災組織など、なかなかその率が上がりません。そんな中にあって、認知症の方の、特に行方不明者、そういう方の捜索にいつも活動をいただいております。本当に頭の下がる思いです。ましてや、少々むちゃをしても許される消防団活動、本当に楽しいんだろうなという一面も見ることがありますし、やはりともに汗を流してえにしを結ぶことが生涯の宝になるんだろうというふうに思っております。 地域の担い手養成機関でありますから、120年という歴史の重みとともに、引き続き団員確保のため、環境整備をよろしくお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 県民発電所構想について、2点お尋ねをいたしたいと思います。 太陽光以外の再生可能エネルギーを活用した発電についてお尋ねいたします。 昨年7月、自然由来の再生可能エネルギーによる電力の固定買い取り制度がスタートし、自然豊かな過疎地の経済が活性化する好機が訪れ、山紫水明の自然の恵みが生み出すエネルギーの地産地消が具現化できる時代がまさに到来すると期待をしております。 単に売電だけでなく、超高齢化が進む中山間地に生きる力をつくり出す、限界集落などと言わせない、自信と誇りを取り戻すことができる、魅力を発信し続け、限界集落を突破する、営々と築き上げし悠久の宝である景観を、条件不利地の農業、林業、後継者を残す、限界を突破できる、生きる力を創造できる、燃料費が要らない、風力や水力、太陽光、材料集めがなかなか大変で商業ベースに乗りにくいが、間伐材を利用できる木質バイオマス発電の可能性を秘めた地域が過疎地には多く存在をします。 過疎地がありて都市部がある、癒やしの効果のある農山村があって、あしたへの活力をいただきに都市と農村の交流が大事と考える人たち、都市部を災害から守ってくれる農山村の多面的機能に理解を示す人たち、都会で働き、田舎に住む老いたる両親を心配し、地域の皆様で見守っていただいていると感謝をする心ある人たち、何かをさせていただかねばならないと思う心ある人々の思いなど、いろいろな思いを成就させてくれる手段の一つが、今まさに県が検討されている県民発電所構想ではないかと、私自身は受けとめております。 ところが、現実には、太陽光による発電だけが注目され、理想的な姿からはかけ離れているのではないでしょうか。買い取り制度が、買い取り費用を家庭や企業が払う電気料金に上乗せする制度は承知の上ですが、県内に次々と建設されているメガソーラーの多くが、県外の資本によると聞いております。地域で生み出されたエネルギーで得た利益が県外に流出をしていく、地域の雇用にも余りつながっていない、ましてや県民に利益が十分還元されているとは到底言えないと感じております。 資力のある者だけがその恩恵をますます享受していく姿は、経済格差を助長するだけであります。資力のない地域に事業主体を育てていくこと、支援していくことも、まさに重要だと考えます。もちろん、ノウハウを持った外部・県外資本の参入もいただきながら、地方の産業創出、活性化に協力いただくことは歓迎いたしますが、できるだけ地域や県民に還元できる仕組みづくりが求められていると考えます。 例えば、私の出身地であります人吉・球磨地域では、県内でも有数の森林資源が豊富な地域ですが、これらを利用した木質バイオマス発電が考えられます。木質バイオマス発電は、風任せ、お日様任せの風力や太陽光発電に比べ、安定性の面から優位であると考えますし、何よりも、単にパネルなどを設置するのに比べ、人の雇用を創出するといった側面において、はるかに優位であると言えます。 そもそも固定買い取り制度の特別措置法には、法の目的として、再生可能エネルギーの利用を促進し、もって地域の活性化と国民経済の健全な発展に寄与することとうたい上げていることからすれば、木質バイオマス発電のように人の雇用を伴う取り組みこそ、法の趣旨に沿うものと考えます。 そこでお尋ねですが、現在のところ、新聞などの情報によれば、県民発電所構想イコール太陽光発電とも受け取れるような状況に感じられますが、その他の再生可能エネルギーについても、県民発電所構想に基づき積極的に導入を図られるべきと考えますが、いかがでしょうか。多種多様な特色のある県土の均衡ある発展を左右するであろう県民発電所構想を取りまとめておられる商工観光労働部長に、今後の取り組みをお尋ねします。 続けて、農地集積と営農型発電の導入についてお尋ねをいたします。 今現在メガソーラーが次々と建設されていますが、地目は農地以外と思います。いわゆる岩盤規制の農地法に阻まれているのが現状であろうと推察いたします。 私どもの球磨郡でも、町中の将来町並みを形成していくであろう土地に建設されている状態にあります。逆に、山裾の農地、畑地や水田が農業公共投資の対象となった農地、第1種農地など、生産力の高い農地、集団農地との位置づけでしょうが、実態は、野生獣の被害に遭って、営農意欲の低下を招いている地域であります。 もし仮にこのようなところで、営農型の発電事業が、県民発電所の協議会の認証を受けた農業法人などが事業主体になって太陽光発電施設を建設できたなら、太陽光パネルの下で農作業ができるスペースを確保しつつ、農地にも光が差し込み、パネルとパネルの間にすき間をつくり、収穫量も確保する、日照量が少なくて済む農産品の栽培が可能になると考えます。 ましてや、野生獣被害対策に電柵や金網を張りめぐらしているのがこのような農地でありますことを考えれば、営農型の発電事業者が県民発電構想から資金調達ができて、資金調達融資の条件として周辺の野生獣害対策を講じることを義務づけるとすれば、その周辺農地は基礎生産力が上がることになると考えます。まさに、電気を栽培し、獣害対策を行い、もって周辺の農地も含め、生産力の高い第1種農地の目的が達成されるのではないかと考えます。 ことしの3月31日に、営農型の太陽光発電の通達が参ったそうですが、営農型を含む農地での太陽光発電についてどのようなお考えをお持ちか、先日、外的要因に対する熱い思いを6分以上も答弁されました農林水産部長にお尋ねいたします。  〔商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕 ◎商工観光労働部長(真崎伸一君) 県民発電所構想とは、県内各地の豊かな自然エネルギーを活用した発電事業に広く県民が参画し、県民や地域にその恵みが還元され、地域の活性化につなげていくための仕組みであると考えております。 本年5月に、くまもと県民発電所検討委員会を設置し、そのコンセプトや課題などを議論してまいりました。そして、今月末をめどに、報告書として取りまとめることとしております。 この中で、県民発電所の主な要件としては、県内に事業の拠点を置く事業主体が、県民が参画できる方法で資金調達を行い、県民や地域に相応の利益を還元するものとし、これらの要件を満たすものを県民発電所として認証する方向で検討を進めております。 今後、この構想を広く普及させていくためには、県民や企業等の理解と参画が重要です。このため、まずは事業開始までの準備期間が短く、資金規模も比較的低額な太陽光発電で成功事例を創出したいと考えております。 そして、県民や企業等の理解を得ながら、太陽光以外の木質バイオマスや小水力、地熱、温泉熱、風力などへと県民発電所を広げ、地域の活性化や雇用創出等につなげられるよう、積極的に推進してまいります。  〔発言する者あり〕  〔農林水産部長梅本茂君登壇〕 ◎農林水産部長(梅本茂君) 議員御指摘の太陽光発電などの自然エネルギーの地産地消によりまして、中山間地域のエネルギーコストを削減し、農家収入や雇用の増加など、農山漁村の振興につなげていくという、まさにその視点は、県としても、これからの中山間地域対策を進める上で大変重要と考えております。 本県における太陽光発電設備への農地転用の状況としては、現在、市町村が将来の農業振興を見通して確保する、いわゆる農振農用地の指定地域から外れた小規模な第2種農地や市街地にあります第3種農地で進行しております。本年8月まで、県内では、151件、35.2ヘクタールが農地転用の許可を受け、6,700世帯に相当する発電量となっております。 一方、過去に公共投資が行われたり、10ヘクタール以上の広がりがある生産性が高い、いわゆる第1種農地は、優良農地として守っていくため、国の許可基準が大変厳しく、転用が難しくなっております。しかし、特に中山間地域には、このような第1種農地の中にも耕作放棄地となっている農地が多くあり、農家の収入につなげる利活用が求められると考えております。 このため、県としては、国に対して、第1種農地であっても耕作放棄地の活用が進むよう、転用許可基準の明確化を働きかけてまいりました。 その一方で、農地転用の規制に関係なく利用できる取り組みとして、耕作放棄地の中で将来にわたって生産活動に活用できない農地を非農地化する県独自の取り組みを本格的にスタートさせました。4月からの半年間で、約320ヘクタールを対象に、県の支援事業を活用して非農地化を進める計画が県内全域で動き出しております。 御質問にありました営農型発電設備につきましては、国は、第1種農地内でも、山際などの周辺部では、太陽光発電設備を設置する目的で一時転用することができるよう、緩和措置を本年度から講じました。県内でも、これまで数件の相談があっており、早期に導入が図られるよう、国との協議を進めております。 県としては、非農地化や一時転用を最大限活用するとともに、農地転用許可の審査とは別に、独自に全国における太陽光発電設備への具体的な活用事例を把握し、事業者や市町村農業委員会に示すなど、中山間地域振興の視点から推進を図ってまいります。  〔緒方勇二君登壇〕 ◆(緒方勇二君) 答弁をいただきまして、議場からも声がありましたように、買い取り制度が早く――県民発電所構想がはっきりして、その目的がきちんと周知をされて動き出さないと、やはり価格が下がってしまうというジレンマもありますので、ひとつ熊本モデルを構築していただきたいと思います。 もし木質バイオマス発電県民発電所構想から生まれれば、かつて山は豊かであって、建築用材として、また燃料のまきや炭を供給し、農村や都市の繁栄を支えて一大エネルギー供給基地でありましたが、しかし、石油、ガスなどのエネルギー革命に遭い、外材の輸入によりそのさまは一変をしたわけで、林業産出額は30年前の3分の1に減ったと言われております。森林経営が成り立つ新たなエネルギー革命にすべく、林業が輝きを取り戻す取り組みとしてチャレンジをしていただきたいと思います。 あわせて、お願いでありますが、県産材の利用促進を、常に知事も副知事も、いろいろな会合や総会でおっしゃっておられます。今年度も、木材利用ポイント制度が拡充継続され、多様な分野への木材の用途開発や公共建築物の一層の木質化推進など、森林再生事業化委員会の提言もあるところでありますが、県のまさに意気込みを訴えるこの議場のどこに県産材が使われているのでありましょうか。こういうメラミン合板とか、こういうところがどこにも県産材が使われていない。県の意気込みを示すこの場に、やはり県産材を使われることを御提言申し上げます。県内の各地には良材がたくさんございますので、和の空間を演出していただきたいと思います。そうすれば、このように大きな声を張り上げなくても、落ち着いて議論ができるんじゃないかなというふうに考えます。 営農型の発電ですが、私のイメージからすれば、担い手へ農地の集積を進める、農地集積の加速化で生産基盤の強化につながり、農業基盤整備促進事業の拡充が打ち出されましたが、地域の実情に応じて、農業者の自力施工や農地中間管理機構――仮称ですが、との連携も視野に入れつつ、ぜひとも農用地の保全につながるような熊本モデルをつくっていただきますようお願いして、次の質問に参りたいと思います。 鳥獣被害対策についてお尋ねをいたします。 九州森林管理局の対策を考えるシンポの報告によれば、昨年時点で九州に27万頭の鹿が生息し、適正頭数の5.8倍に上っていると報告があり、「習性の把握や官民が連携した捕獲など総合的な戦略が必要」また「個体数を適正に管理するため、捕獲を専門的に担う技術者を育成する必要がある」との提言があったとの新聞記事を読みましたが、提言の実行、必要性を私も感じております。 しかし、一方で、狩猟者の減少で野生鳥獣に荒らされる被害が全国で深刻化をしております。狩猟文化に興味を持った若い人たちが、ハンターを目指す動きも広がっているそうですが、ハンター不足は深刻で、統計では、狩猟免許を持つ人は、1975年に52万人いたが、今は20万人を切り、35年間で64%減少、60歳以上が6割を超え、20から30代は1割足らずにすぎないのが現状であります。 本県においても、装薬銃であります第1種銃猟免許の所持者数が、平成11年度は4,878人から、昨年24年度で2,501人に減少し、空気銃の第2種銃猟免許所持者数が、平成11年度は475人から、昨年24年度で42名に減少しております。年齢別構成は出ておりませんが、全国の累計構成と変わらないと思います。 野生鳥獣の農産物被害額の推移は、全国で、平成21年度以降200億円を上回り続けています。県内では、昨年が5億4,500万の被害額が出ております。イノシシの被害が一番多くて、3億5,000万余の被害額で、駆除頭数、捕獲頭数は、昨年24年度、イノシシ、2万5,900頭余り、鹿が1万6,000頭余り、猿が256頭となっています。 目標の適正頭数に向けて、狩猟、有害駆除に頑張っていただいておられることには敬意を表したいと思いますが、しかし、実態は深刻の度を増していると感じております。山里のほうに多くの野生獣が出没するようになってきた状態にあります。日向のかみつき猿がようやく御用になりました。一連の騒動のてんまつをニュースで見ますと、大変な状況にあると思っております。 私の事務所から5分のところにも猿の群れ、それも、地元の方にお聞きしますと、3群から4群存在するそうであります。一群れが100頭単位です。それ以上の頭数に個体群がなれば、分けつといいますか、分かれますので、異常な状態にあると思います。山でなく、里でふえている状況です。 鹿は、群れをなすようになってきたように感じております。多良木町の山奥では、人家近くに群れで出没している状態にあります。夜間に道路を走ればよく出会いますが、昼間も見かけるようになってまいりました。 多良木町と隣の宮崎県小林市の職員交流の席にお招きをいただいた折に、小林の県会議員さんとお話をする機会に恵まれましたが、ジビエ料理にしても、皮なめしの取り組みにしても取り組んでいますが、資源の有効利用、出口戦略であり、大切な取り組みではありますが、個体数を減らす絶対的な取り組みである有害駆除の効果があらわれない、いや、追いついていないのが現状ではないかとの意見で一致をいたします。 そこでお尋ねですが、狩猟者の確保と、養成対策として狩猟者養成学校を設立できないものか、お尋ねをしたいと思います。 狩猟免許は、火薬銃、空気銃、網、わなの4種類に分かれますが、試験は県で実施をされ、狩猟に関する法律や知識を問う筆記試験や猟具の扱いを見る検査があり、銃を使う場合は、さらに県公安委員会の所持許可が必要であり、免許更新が3年ごとにございます。 所持許可の検査は非常に厳格で、当然だとは思いますが、地元の有害駆除など要請に応じて活動をされる側からすれば、更新時の許可を簡素化できないものかと申されます。特に75歳時点での審査には、記憶力検査などで憤慨をされておられます。 このように、高齢者のハンターに頼っている現状を思えば、やはり経験豊かなハンターがおられるうちに、一緒に狩猟に出かけることができるうちに、技術を継承できるうちに猟師を養成することが急務と考えます。 免許を取っても、山に行けばすぐに獲物がとれるものとは限りませんし、そう思うのは大間違いで、熟練者の指導を受けて、経験を積む環境を整備しなければならないと考えますが、狩猟者の確保とその養成対策について、どのような形にすればよいのかも含め、環境生活部長にお尋ねをいたします。  〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕 ◎環境生活部長(谷﨑淳一君) イノシシや鹿、猿などの生息数の増加や生息域の拡大によりまして、農林水産業への被害や生態系への影響は本県でも深刻化しております。そして、これらの野生鳥獣の捕獲による個体数管理対策が急務となっております。 狩猟は、そのための有効な手段であり、その免許には、猟銃を使用するものとわな、網を使用するものがございます。特に猟銃の免許取得者は、近年、高齢化とともに大幅に減少してきており、大きな課題と認識をしております。 このため、本県では、平成22年度から、狩猟免許試験制度を見直し、狩猟免許試験に要する日数を2日から1日に短縮し、受検者の負担を軽減するとともに、試験回数を3回から5回にふやして受検機会を充実したところでございます。また、熊本県猟友会も、新規免許取得者のための講習会を開催し、狩猟者の確保に努めておられます。 これらの取り組みによりまして、わなによる狩猟免許が大部分ではございますが、この3カ年で新規の狩猟免許取得者が1,000人を超えるなど、一定の成果が上がっているものと思います。 議員御提案の狩猟者の養成学校につきましては、他県の例で見ますと、ことし11月に、岩手県花巻市において、地元猟友会を中心に、市や地元企業などでつくるNPO法人主催の講習会が、養成学校と称して開催されると聞いております。これは、3日間にわたって、銃刀法などの関連法や鳥獣被害の実態、猟銃の性能や捕獲方法、鳥獣の解体や加工処理等について、実技を交えた講習が実施されるものでございます。 本県においても、現在、市町村や各地域の猟友会などと連携いたしまして、同様の狩猟者養成講座を開催いたしております。 今後、このような花巻市などの取り組みの効果も見きわめつつ、講座の開催回数をふやしたり、熟練の免許取得者による実践に即した講座内容にするなど工夫を重ねながら、狩猟技術の普及向上や技術の継承などにさらに努めてまいります。  〔緒方勇二君登壇〕 ◆(緒方勇二君) 今環境生活部長から答弁をいただきまして、南関町のクローズドの処分場がようやく着工されてほっとされておられるんじゃないかなと。ここはひとつ鳥獣被害のほうに本腰をまた入れていただかなければ、まさに眼前に危機が参っているような気がいたしてなりません。 狩猟免許所得者が、ここ3年で1,000人、そのうちの170名が新規の方が取得をされたというふうな答弁でございましたが、これはわなのほうが多くて、多分銃砲のほうはないんじゃないかな、そんなにふえてないんじゃないかなというふうにも思っております。ただ、ハンターのブームが来ていることは確かでありまして、よくそのような新聞記事を見させていただく機会があります。花巻市の事例も申されましたけれども、やはり花巻とすれば、県外の方がおられるので、県の支援のほうをちゅうちょされておられるような話も聞かせていただきました。 しかし、やはり根本的な、例えば宮崎県側、熊本県側両方から有害駆除されるのでありますが、やはり銃砲での駆除が一番効果があると思うし、わなとかその辺もあわせて、そういう狩猟文化の継承をしっかりやっていただかないといけないんじゃないかなというふうに考えております。 どちらかといえば農林部の範疇ではないかなと思いながら、この原稿を作成しておりました。まさに鳥獣被害対策というものは、地域ぐるみで、集落全体で取り組んでこそ効果が発揮されると認識はしております。しかし、農林部での取り組みの状況を見れば、必要であり、有効かもしれませんが、悪く言えば、自分さえよければ、自分の地域だけよければよい、そんな機運が醸成されているようにも感じてしまうのが率直な感想です。 もちろん、収穫前の作物を一晩でやられてしまう状況を考えると、守るためには必要でありますが、もろもろの対策が有効にかみ合って初めて被害防止、適正頭数に管理できるものと考えます。中山間地域の中でも、特に山裾の極めて条件が不利地の農地は非農地化していくばかりでありまして、しかし、ここで闘い、守り抜かなければ、農地集積の加速化などできようはずがないと考えます。 先般の溝口先生の質問のお答えの中で、三十三観音などの計画的な維持、補修などの質問、また答弁がありましたが、まさにそういう三十三観音あたりが主戦場でございまして、この連休もお参りに、先ほど冒頭に申し上げましたが、とうとう猿が、鹿が、イノシシがと、大勢の参拝客をおもてなしの心で精いっぱいお接待をされておられる皆さんから聞かされる言葉でありますから、ひとつここはハンターを――来年から銃砲のほうの講座も開催されるというような答弁で、私は思っておりますけれども、やはりそういうことをきちんとやっていかないと、この辺が守れないんじゃないかなというふうに思っております。まさに、あの野生鳥獣が群雄割拠する危機が目の前にあらわれている状況だと考えております。農林業の担い手の育成とあわせて、やはり狩猟者の育成も必要と考えます。 それから、わなの免許ですが、農業者には無資格で設置の許可をする方向で検討されるべきと考えます。そして、捕獲時に、免許所持者に要請をする体制づくりも必要かなというふうに思っております。 それから、日の出、日の入りが発砲時間帯ですが、日の入り後の猟銃発砲も検討されるべきだと申し添えます。 最後の質問をさせていただきます。 地域資源としての空き家の活用についてお尋ねをいたします。 前回の一般質問で、空き家対策について要望をさせていただきましたが、「放置空き家 対策強化」の見出しで新聞報道がありました。中身は、自民党が、議員立法で、管理不十分な空き家の増加を受け、防災や治安確保の徹底を図る新たな対策法案をつくる方針との報道でありました。市町村に立入調査権を付与し、所有者への改善命令を可能とするのが柱で、一歩踏み込んだ中身となっております。 全国の空き家は、住宅全体の約13%、757万戸、このうち放置された空き家が約35%に上るとされているようです。空き家を更地にすると解体費用がかかる上に、建物がなくなると固定資産税が膨らむことが放置の一因とも言われております。 放置された空き家の増加は、放火などの犯罪の温床や、老朽化すれば災害時に倒壊するおそれも生じ、県内でも条例を制定し、対策を強化する市町村が相次いでいる状況を考えれば、県内も深刻化していると考えます。放置空き家に対する対策として歓迎するところであります。 一方で、地域資源として活用する事例も散見されるようになってまいりました。空き家バンクや空き家を紹介するサイトの動きも活発です。これは、所有者がはっきりしている、今後どのようにするかという意思表示をしている事例でありますが、放置空き家になる前の事前の対策として有効だと思います。交流サイトは、会員数が40万にも上ると聞いております。 先日、各地区の敬老会に行かせていただき、次のような方に出会いました。この地区に何の縁もゆかりもない者ですが、退職後、空き家を探しておりましたが、この集落が気に入って移住してまいりました、今では子供や孫が20名以上で押しかけてまいります、我がふるさとになりました、毎年100万人以上が退職しておりますが、私のような者が潜在的に大勢おられると思いますが、町も県もなぜ対策を打たないのでしょうかと尋ねられました。 そこで、このように移住、定住を進めることが地域の活性化に大きく貢献すると考えることから、移住施策を推進するために、地域資源である空き家を有効利用することについてのお考えと現在の取り組み状況について、企画振興部長にお尋ねいたします。  〔企画振興部長錦織功政君登壇〕 ◎企画振興部長(錦織功政君) 少子高齢化が進む中、県外からの移住を促進することは、単に人口減少に対応するためだけではなく、外部からの移住者の力を活用して地域の活性化を図ることにもつながり、地域づくりを進める上で大変重要な施策であると認識しております。そして、住まいの確保という移住者にとっての大きな課題解決のために、利用可能な空き家を住宅として提供するという施策は、移住・定住施策の大きな柱であると考えております。 県は、既に地域づくり夢チャレンジ推進事業におきまして、移住・定住関連事業に最も高い補助率を適用し、移住者のために空き家改修等を行う市町村等への支援を始めております。 一例を申し上げますと、産山村では、移住者向けに4件の空き家を改修し、4世帯を受け入れております。また、菊池市では、NPO法人と連携した空き家バンク等の活用により、3年間で23世帯が移住されております。このように、少しずつではありますが、成功事例が出始めてきております。 さらに、県による事業といたしましては、県ホームページ内に熊本県移住・定住ポータルサイトを開設いたしまして、県内各市町村の移住、定住に関する施策や空き家情報の紹介等を一元的に行っております。また、市町村の特性や情報を集約いたしました情報誌「くまもとくらす」を発刊し配布するなど、都市圏を中心に積極的な情報発信を行っております。 今後とも、さらに市町村と連携を深めながら、利用可能な空き家の活用を含めた移住、定住の促進に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(藤川隆夫君) 緒方勇二君。――残り時間が少なくなっておりますので、発言を簡潔に願います。  〔緒方勇二君登壇〕 ◆(緒方勇二君) 答弁いただきましてありがとうございました。 その私に言われた方が、こうおっしゃいました。今まで、いわゆる3大都市圏に住んでおられて、希薄な御近所づき合いから、この地に参って、濃密な御近所づき合いや集落から何かと頼りにされる存在として田舎暮らしを楽しんでいますと笑顔で答えられました。 とうとう球磨郡も、3人に1人が65歳以上になりました。もうこれは人口減少社会ですからしようがない。であるならば、どうにかしてやっぱりついの住みかと申しますか、そういう方にもたくさんおいでいただいて、地域を支える担い手となっていただきたいと思います。ましてや、空き家がこのままふえていくような状態は看過できませんので、そういうことも含めて、国においては、介護保険で居住地特例ですか、その辺の改正の方向でも検討されるように聞いておりますので、まさにこれは戦略としてひとつ考えていただければなというふうに考えております。 これで予定しておりました質問を終わらせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(藤川隆夫君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時1分休憩    ――――――○――――――  午前11時12分開議 ○議長(藤川隆夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 髙木健次君。  〔髙木健次君登壇〕(拍手) ◆(髙木健次君) 皆さんおはようございます。自由民主党・合志市選出の髙木健次でございます。 1年ぶりの登壇になりますが、けさ、明け方に夢を見まして、はっとして起き上がりました。夢の内容は、思いに苦労に苦労を重ねたものが実現できたという夢で、非常に目覚めがよくて、すがすがしい気持ちで本日ここに立たせていただいております。したがいまして、できることなら、執行部の皆さん方の、それぞれの質問で私が余り不愉快にならないような答弁をお願いできればというふうに思っております。 それでは、まず最初に、今後の県政運営への意気込みについてお尋ねをいたします。 蒲島知事のこれまでの県政運営を振り返りますと、まず1期目においては、稼げる県、長寿を恐れない社会、品格あるくまもと、夢のある教育という、いわゆる4つの夢について積極的な取り組みを進められました。また、喫緊の課題として位置づけられた財政再建、川辺川ダム問題、水俣病問題という3つの困難の解決に向け、全力で取り組まれたことが印象に残っております。そして、多くの県民の支持を得て、昨年4月から、2期目となる県政運営のかじ取り役を担っておられます。 2期目の県政運営に当たっては、4年間の任期中に重点的に取り組む政策を、幸せ実感くまもと4カ年戦略として取りまとめられました。県民一人一人が幸せを実感し、住みなれた地域で、夢を持ち、誇りに満ちた暮らしが送れる熊本を目指し、活力を創る、アジアとつながる、安心を実現する、百年の礎を築くという4つの方向性に沿って、さまざまな施策を展開され、各分野で成果も出てきているようであります。 最近の明るい話題として、例えば阿蘇の草原の維持と持続的農業が、6月に世界農業遺産として認定されたことが挙げられます。新たな阿蘇の魅力を全国に発信し、阿蘇地域、ひいては熊本の活性化につながっていくことが期待されます。 また、県南地域では、農林水産業者、商工業者、行政などの参画のもと、7月にくまもと県南フードバレー推進協議会が設立されました。熊本の豊富な農産物などを生かした食品関連産業の振興が図られるとともに、県南地域の振興に大きく寄与するものと期待をしております。 さらに、もはや全国ブランドになったくまモンの活躍が連日のように報道されています。その活躍の場は、日本のみならず、アジア、ヨーロッパにも広がっています。今後は、さらなる世界展開も視野に、県民に夢を与えてもらいたいものです。 ただ、私は、蒲島知事の県政運営に少々物足りなさを感じるところがあります。それは、熊本が大きく変わった、飛躍したと感じられるダイナミックな動きが目に見えてこないということです。 先月の県議会総務常任委員会では、4カ年戦略の主な取り組みについて、政策評価の報告があり、その中で県民アンケートの結果が示されていました。4カ年戦略で示された取り組みの方向性に沿って県政が進んでいるかとの問いに対し「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」と答えた人の割合を御紹介しますと、活力を創るが72.9%、アジアとつながるが59.4%、安心を実現するが76.6%、百年の礎を築くが77.8%です。この数字だけを見れば、できは上々ということかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。同じ県民アンケート結果では、4カ年戦略を「知っていた」と回答した人の割合は36%と低く、私には、くまもとの夢につながる具体的な取り組みがしっかりと伝わってきませんでした。 蒲島知事の任期中に、九州新幹線が全線開業し、政令指定都市が誕生するという大きな出来事がありましたが、熊本県民の誰もが、県計画のネーミングどおり、幸せを実感するには至っていないようにも思えます。目に見えて熊本が大きく変わったと思えるものとしては、インフラの整備がありますが、いまだ財政状況は厳しく、それは難しいということでしょう。 また、確かにくまモンの人気はすごいと思いますが、それと県勢の発展は別ものではないかと感じている人も多いのではないでしょうか。くまモン人気自体も、そういつまで続くものか、心配をしております。 知事は、県内各地を回られた出前講座を初めさまざまな場面で、人生の可能性は無限大、夢を持つことが大切と話されています。今求められているのは、熊本県民が大きな夢を持てるような、蒲島知事ならではのダイナミックな県政運営だと思います。いわば第2、第3のくまモンとも呼べるような新しい政策を打ち出し、熊本をさらに発展させていくことが必要と考えます。 そこで、知事の今後の県政運営にかける意気込み、思いをお聞かせいただきたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕
    ◎知事(蒲島郁夫君) 私の県政が余り平和過ぎておもしろくないというようなニュアンスの御質問でありましたけれども、きょうは、それにお答えするために、やや不安定ではありますが、原稿なしでお答えしたいと思っています。 私が知事になったのは2008年の4月です。それから5年半が過ぎました。私が就任した当時は、リーマン・ショックで大不況のときでありました。そのとき私が考えたのは、大不況の中におけるリーダーのあり方はどういうものかと。私は、3つあると思います。1つは、お金のことばっかり考えないで、幸福とは何かという価値観の転換、2番目は、非常に暗いトンネルを県民と一緒に通るわけですから、トンネルの先の夢はどういうものかという夢を語ること、3番目に、どんな困難な時期でも問題はどんどん解決しようということが一番大事ではないかということで、その方向で1期目は走ってきました。 私は、政治には3つあると思っています。1つは決断、もう1つは対応、そして3番目が目標であります。私もよく決断の政治という話をしましたけれども、1期目は10個の決断をしました。財政再建、川辺川ダム問題、水俣病問題、荒瀬ダム問題、路木ダム、五木ダム、それから、熊本市の合併と政令市の実現、南関の公共関与型最終処分場の問題、それから県庁の経理文化の改革、そして建設業界の改革であります。これは血が出るようなみんな改革なんですけれども、政治家というのは決断をしなきゃいけないということで決断をしてきました。 もう一つは、自分が考えもしなかったような問題が起こることであります。例えば口蹄疫の問題あるいは熊本北部大水害の問題、そのときにいかに対応するかというのが政治家の大きな役割ではないかなと思っています。 口蹄疫は、幸いにして熊本に入ることを阻止することができました。それから、熊本北部大水害では、3つの原則のもとに対応しました。1つは、被災者の痛みを最小化すること、2番目は、創造的な復旧、復興を行うこと、3番目が、この復興、復旧を将来の熊本の発展につなげることであります。これは対応の政治。 そして、いよいよ目標の政治であります。目標は、すぐ達成できるわけではありません。私は、2期目の目標として、活力を創ることと、アジアとつながることと、それから安心を実現すること、そして百年の礎をつくることを約束しました。それが、そろそろ今芽が出て、また、実りが見れるのかなというところに来ているんじゃないかなと思っています。 例えば活力では、ホップ、ステップ、ジャンプと考えておりますけれども、まず新幹線の全線開業とそれから熊本市の政令市の実現、そして、その後に道州制が実現した暁には熊本が州都になる、そういう期待度がとても大事なんです。それが活力だと私は思っています。 実際に、期待だけではなくて、目に見えたものが何かというと、例えば農業生産所得が、平成20年から23年にかけて17%アップします。そしてこれが九州一になりました。それから、21年ぶりに求人倍率が0.9を超えて、これも九州で一番であります。 それから、2番目のアジアとつながる。今、台湾に一緒に行っていただきましたけれども、そこでのトップセールスを見ていただきたいと思いますけれども、そこでも定期便の可能性も非常に出てきたんじゃないかなと。それから、きょうの新聞に載っておりましたけれども、タイからのチャーター便が来年は来るということもきょうの新聞で知りました。そういう意味で、活力もいろんな面で出てきているのではないかなと思っています。それから、アジアとつながるも、チャイナ・プラス・ワンという形で今目に見えてきているのかなと思っています。 安心を実現する。これは長寿を恐れない社会というのを第1期目で言いましたけれども、第2期目は長寿を楽しむ社会にしたいと。そういう意味で、今介護基盤の整備を行いまして、4,000人分の介護の基盤の整備を行いました。それから、認知症のサポーターは全国一であります。そして、認知症の医療システムというのは、熊本モデルと言われるくらい、今すばらしいところに行っているような気がします。 そして、最後に百年の礎。これには2つあります。1つは州都構想であります。今、州都構想を行った後で、全ての道が熊本につながることが大事であります。それが実現しそうになっているなというのが今の状況です。例えば中九州横断道路も、これは近く工事が始まり、そして将来的に実現すると確信しておりますし、それから九州中央道路も、今延岡と熊本の間が整備が進んでおります。そして、熊本と佐賀の間も、つい最近、有明海沿岸道路が整備が始まる、計画が始まると思いますので、これもつながる。道は長くかかるんですけれども、このきっかけが大事なんです。だから、全てこの3つが熊本に通じるという形で今進んでいるのではないかなと思っています。 これも、私は、県庁の職員の優秀さゆえだと思っています。県庁職員は、本当に優秀であります。今、熊本県では、パラダイムシフトが進んでいます。県庁というのは、大体規制したり、指導したり、管理するのが主な目的だったんですけれども、そうじゃなくて、それは手段であって、目標は県民の幸福量の最大化である、それに進もうと、今県庁と一丸となってやっております。 最後、もう時間がありませんので。研究者のときは、大体1割打率でよかったんです。1割ぐらいちょうどよければ、大体研究者として大成した。でも、野球選手として大成するには3割必要です。でも、政治家になってわかりましたけれども、政治家は10割成功しないとだめなんです。だから、そういう意味で、10割成功するために、派手さはないかもしれないけれども、間違いのない、そういう県政を今やろうと思っております。よろしくお願いします。  〔髙木健次君登壇〕 ◆(髙木健次君) 私も、あんまり知事を刺激し過ぎたかなと。非常に予定時間を――3分知事の答弁を予定しておりましたけれども、7分ぐらいしゃべられたということで、私の切り返しの言いたいことが全部時間が飛んだんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、今までにない、知事が笑顔をもって、身ぶり手ぶりで一生懸命知事のやっていることをお話しになられまして、何も私は、蒲島知事になってから熊本が停滞しているということじゃないんですよ。それは、新幹線が博多から36年おくれて熊本に来ました。鹿児島から7年おくれですね。鹿児島から走って、熊本を飛び越して、水が川下から川上に流れるようなそういう出来事や、新幹線もできたけれども、5年後にしか熊本駅舎が完成しないというような、非常にやっぱり後手後手に回っている、今まで10年、15年のスパンを見てみると。ですが、知事には、知事は実力を持っておられるけれども、まだまだ仕事が足りないんじゃないかなということでの思いであります。 時間が非常に経過をしております。いっぱい書いてきたんです。熊本もいろいろ頑張っておられるけれども、まだまだ水準的に非常に低い部分がたくさんあります。ここを何とか、知事、頑張っていただいて、先般のオリンピックのあのプレゼンテーションですか、滝川クリステルが「おもてなし」とやりましたね。あれも非常に印象に残りました。もう1つ、猪瀬都知事が、東京はダイナミックと言われましたよね。あれが非常に印象に残っております。知事も、どうか熊本はダイナミックと言えるような県政運営にこれから頑張っていただきたいというふうに思いまして、次の質問に入らせていただきたいと思います。 まず、熊本都市計画の線引き等の見直し状況についてお尋ねいたします。 熊本県都市計画区域マスタープラン基本方針では、熊本都市計画区域においては、熊本市中心市街とその周辺の核となる市街地が連携して都市圏を構成する多核連携型の都市構造によるコンパクトな都市づくりを掲げてあります。 熊本市の周辺市町においても、都市機能が集約した核となる市街地がそれぞれ形成されることを目指すとされていますが、私の地元の合志市は、市街化調整区域が面積の9割を占めており、都市機能が集約した核となる市街地を形成することは、現状では難しいのではないかと考えております。また、熊本都市計画区域の熊本市以外の市町の積極的なまちづくり、自立にも、市街化調整区域の開発規制がネックとなっていると思われます。 私は、一昨年の6月議会で、熊本市が政令指定都市に移行すると、熊本市と、ほとんどが市街化調整区域である合志市、菊陽町、益城町、嘉島町との格差がさらに広がる懸念があること、この懸念を払拭するために、熊本都市計画区域の熊本市以外の1市3町の市街化調整区域の開発が必要であるため、都市計画制度のさらなる要件緩和や運用、県の集落内開発制度の区域指定要件等の見直しについて土木部長に質問し、部長から、平成26年度に予定している線引き等の見直しにおいて、関係市町からヒアリングを行い、個別具体的に検討し、関係機関との協議を行った上で都市計画決定をしていくこと、その過程で、地域の振興や活性化に寄与する計画的な土地利用についても、関係市町としっかり議論し、地元の実情等も伺いながら、都市計画制度を運用していくとの答弁をいただいております。 そこでまず、土木部長に、平成26年度に予定している熊本都市計画区域の線引き等の見直しの状況についてお尋ねをいたします。 なお、土木部長のお住まいはどこですかなどとやぼなことはお聞きしませんが、2人で堂々と胸を張って地元に帰れるよう、よろしくお願いを申し上げます。  〔土木部長船原幸信君登壇〕 ◎土木部長(船原幸信君) 都市計画法上の区域区分、いわゆる線引きは、市街化を促進する市街化区域と市街化を抑制する市街化調整区域を区分するものでございます。 熊本都市計画区域では、昭和46年の当初の線引きから、これまで4回の定期見直しを行っております。これまでの見直しでは、構成する市町から提出された市街化区域編入候補地のうち、市街化区域に隣接することや一定規模以上の面積を有することなどの編入要件に適合し、計画的な市街地の整備が確実と見込まれる箇所等について、市街化区域に編入を行ってまいりました。 平成26年度に第5回の定期見直しを行うこととしていますが、熊本都市計画区域を構成する市町から、市街化区域編入候補地を本年3月に提出いただきました。その後、市町への個別ヒアリング等を実施する中で、それぞれの箇所について、計画的な市街地整備の確実性等を踏まえながら、市街化区域編入に向けた協議を重ねているところでございます。 今後は、協議結果を踏まえて、線引き見直しの素案を作成した上で、国などの関係機関との協議を開始し、平成26年度末の都市計画決定に向け、都市計画法に基づく手続を行ってまいります。  〔髙木健次君登壇〕 ◆(髙木健次君) 今土木部長のほうから答弁をいただきましたけれども、果たしてきょう帰れるのかなというふうな感じもいたします。 毎回毎回、この件については質問をさせていただいておりますけれども、答弁はもういつも一緒、地元の市町村等と協議をしながら進めていくということでありますけれども、なかなか地元と協議をしても、国のいろいろな規制、また県の縛りとか、進まないんですね。 そこで、合志市が、昭和46年ですか、都市計画区域に指定をされて、当時は、そのときが面積で546ヘクタール指定されたんですね。それから現在まで42年間かかっておりますけれども、新たに市街化区域に編入されたのはたったの4ヘクタールなんです。こういうことで、自分たちのまちづくりとかそういうことができるかというと、ほとんど不可能であります。 ですから、ここは非常に、土木部長、やっぱり国と県と責任のなすり合いじゃなくして、しっかりやろうと思えばできないことはないと思うんですよ。しっかりその辺を協議していただいて、本年の3月にそれぞれの市町村から要望が出ているということでありますけれども、この要望については全部通していただきたいというふうに思っております。 非常にアベノミクスの3本の矢は、民間投資を喚起する成長戦略であります。ですから、最も手軽で確実な規制緩和がこの成長戦略につながるというふうに思っております。 私の地元の合志市は、本当に市街化区域と市街化調整区域と分かれている関係で、自分ところで買い物もできない、ほとんど寝るだけ。熊本市のベッドタウン化と言われておりましたけれども、よそで金を使って、地元では金を落とさない、落とされない、これが現状であります。ですから、地域的に場所はいっぱい開発できる――非常に企業が、あるいは商業区域が、欲しがる土地がいっぱいあるんですけれども、なかなかその開発ができないということで、非常に苦しんでおります、本当に。 ですから、知事、これは――知事もスピード感を持ってといつも言われます。知事も、その辺をしっかりと指摘をされて、この都市計画区域の見直しをしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。 以上で次の質問に、また時間の関係で入らせていただきたいというふうに思います。 次に、熊本都市圏を含む県北地域振興構想についてお尋ねいたします。 都市計画制度の運用に当たっては、関係市町と議論し、地元の実情を聞きながら進めていくことはもちろん重要なことでありますが、県として、熊本都市計画区域の全体の位置づけ、熊本市以外の1市3町の市街化調整区域の開発要件緩和の方向性を示した上で、関係市町と議論することが熊本市周辺市町全体の振興につながると考えます。そのためには、熊本都市圏を含めた県北地域振興の構想があれば、大きなよりどころになると思います。 知事は、県南地域活性化の起爆剤としてフードバレー構想を本年3月に策定され、着実にこの構想を展開されておられます。フードバレー構想は、将来的には県下全域への拡大を目指すとされているが、これに対して、県北地域の振興、活性化の起爆剤となり、県北から県下全域に波及拡大するような大きな構想は、現在のところ策定されておりません。 また、平成23年12月に策定された地域振興ビジョンでは、県内を6つのブロックに分け、それぞれの活性化に向けた取り組みの方向性が示されております。県北地域は、主に県北玄関口の機能強化、福岡などからの誘客を目指した広域的観光の振興、さらなる農業所得の向上が示されておりますが、熊本都市圏地域との連携した県北地域の振興構想も必要と考えます。 県南地域の豊富な農林水産物を生かし、食品、バイオなどの研究開発機能や企業を集積させる県南のフードバレー構想に対し、例えば県北地域を、熊本都市圏とともに、4カ年戦略の一つである知の集積の拠点地域として位置づけ、筑波学園都市のような熊本版学園都市構想といったものを考えられるのではないでしょうか。 そこで、熊本都市圏を含む県北地域振興構想を策定してはいかがかと考えますが、県南地域振興については、小野副知事が特命を担って先頭に立って進めておられるので、県北振興については、百戦錬磨の村田副知事に御答弁をお願いいたします。 なお、村田副知事におかれましては、私の記憶によりますと、たしか副知事就任以来初めての御登壇かと思います。今までの鬱積を思う存分、10倍返しで晴らしていただきますよう、御期待あふれる御返答をお願い申し上げます。  〔副知事村田信一君登壇〕 ◎副知事(村田信一君) 髙木議員から、事実上の県北担当の御下命をお受けしたような思いでありますが、お尋ねの熊本都市圏を含む県北地域の振興構想についてお答えをいたします。 今回の議会でも何度も出ておりますが、蒲島知事は、2期目の4カ年戦略の中で、フードバレー構想を旗印として、県南地域の活性化を大きな政策の一つとして掲げられました。 その背景を考えてみますと、1点目には、熊本都市圏を含む県北地域には、昭和50年代以降、自動車関連産業が集積、さらには、テクノポリス計画を旗印とした先端技術産業が集積したことを初め、多くの企業進出が実現したことがあると思います。2点目に、同地域には、さらに製造業の研究開発部門の誘致も進展をし、議員御質問にもありましたように、知の集積の拠点化が進みつつあることもあります。3点目に、県北地域は、福岡県や熊本市と近接した生活圏域、経済圏域を形成している一方、県南地域は、県平均を上回る少子高齢化、過疎化が進んでいることなどもあろうと考えます。 このような背景によって、製造品出荷額あるいは市町村民所得を見ましても、北が高くて南が低いといったような傾向がうかがえるところでございます。もちろん、そのことは一概に論じられることではなく、県南以外の地域でも、県南と同様の状況あるいはさまざまな課題を抱えている地域があることは承知をいたしております。 ただ、蒲島知事は、県全体を俯瞰したときに、県南地域を振興させることが県全体を活性化させることにつながるという強い思いから、県南振興策を色濃く打ち出されたものと認識をいたしております。 先日の本会議で、磯田議員から、農林水産業の6次産業化推進のお尋ねがございました。その答弁で、県内からは九州で最も多い事業体が国の計画認定を受け、県南地域では9つの事業体が商品開発あるいは販路開拓など新しい挑戦をされ、頑張っていることの御紹介を申し上げました。 同様の動きは県北地域でも大変活発でございまして、数としては県南地域以上の事業体が新たに挑戦をされています。このほか、認定農業者、また地域営農組織といった面からも、県北は県南に劣る状況にはございません。むしろ、県北地域は、本県における先導的な立ち位置にあるというふうに考えています。 今申し上げましたことは一つの事例でございますが、さきに述べました背景なども含めて総合的に勘案すれば、熊本都市圏を含む県北地域は、県全体を力強く牽引する地域であると考えています。そして、その地域振興の方向性などの県の考え方につきましては、新4カ年戦略あるいは23年12月に策定しました地域ビジョンの中で既に示されているというふうに考えます。 その中で、全体を1つの旗印に絞ることも考えられるところでございますけれども、むしろそこで示された中身、例えば、知の集積、ストーリー性のある観光戦略、くまもとブランドの創造、歴史、文化の磨き上げなどなど、それぞれの地域の特性に応じて実現に向け加速化させ、着実に実行していくことが肝要だと考えています。さらに、その取り組みを外に向けて、広く、効果的に打ち出していくことも大事だと思います。 なお、フードバレー構想の内容は、1次、2次、3次、大変裾野が広い可能性を持っております。必ずしもこのことは県南に特化されるべきことでもありませんし、先ほど質問でもお触れになりましたように、フードバレー構想の中には、この構想全体を県下全域に広げるということが重要な役割だというふうに認識をいたしております。 今後とも、熊本都市圏を含む県北地域のみならず、それぞれの地域で幸せを実感できる元気なくまもとづくりが推進されるよう、精いっぱい努めてまいります。  〔髙木健次君登壇〕 ◆(髙木健次君) 副知事から今答弁をいただきましたけれども、やっぱりさすがにたくさんの修羅場をくぐってこられた副知事、私を傷つけないような答弁をいただきましたけれども、非常に県北は県南よりも恵まれていると、だから、均衡的な発展を図るためにフードバレー構想もつくったということですが、必ずしも県北は豊かじゃないと思うんですよね。工業生産出荷額は非常に県北のほうが多いと思いますけれども、景気に非常に左右される。法人税がどんと上がったかと思うとごとっと下がるということで、納税していただいた税金も、また明くる年、不景気のときには返さないかぬというような状況もあるんですね。ですから、非常にそういうことでは、県北は放っといていいということじゃなくして、やっぱり県北も伸びるところは伸びるところ、それなりに応援をしていただきたいというふうに思っております。 政府が、固定資産税、それから償却資産税の引き下げというのを今出してきております。これをやられたら、県北のそれぞれの市町村、自治体は、本当に税収がなくて困るんですね。ですから、これも4市町村で要望に行かれたというふうに聞いておりますけれども、こういうことを考えると、県北のほうも振興を図っていただきたいというふうに思っておりますので、副知事のほうには、ぜひこれからも県北のほうをしっかり見詰めていただきたいというふうに思っております。 時間が押しておりますので、次の質問に入らせていただきたいと思います。 次に、県営野球場の新設についてお尋ねいたしますが、冒頭の夢の話は、たった今この質問のことかなと思いましたが、現時点では難問かもしれません。知事の答弁も余り期待はしておりませんが、必ず近い将来正夢になると確信をして質問をいたします。 2020年のオリンピックが東京開催に決定いたしました。56年ぶりの開催に、国民の一人として、まことに喜ばしいことと存じます。スポーツを通して世界が一つになり、何よりも子供たちの大きな夢につながるものと期待をいたします。 藤崎台県営野球場の現状並びに問題点につきましては、昨年9月の一般質問において、田崎教育長にお尋ねしたところであります。それ以来、私もミスター県営野球場という異名をいただきましたので、今回は切り口を変えての質問になり、少々長くなりますが、御理解ください。 前回の質問の際には、客観的な数字を把握していませんでしたが、今回、私は、ある実態調査資料を入手し、熊本がいかに野球後進県であるかを思い知らされる事実を認識することができました。 その資料とは、九州各県における硬式野球場の実態調査という資料であり、ここにありますけれども……(資料を示す)九州地区大学野球連盟を初めとした野球関係5団体が調査したものであります。 なぜこの実態調査を野球関係団体が行ったかといいますと、毎年1月上旬に、藤崎台県営野球場会議室において、硬式野球関係団体及び準硬式野球団体が一堂に会し、翌年度の大会の日程調整を行う会議が行われております。 日程調整会議は、毎年難航し、会議の最後に出席者が異口同音に口にするのは、熊本県は硬式野球ができる球場が少な過ぎる、行政にこのことを知ってもらい、新しい野球場をつくってもらうための実態調査を行おうという決議を行い、実際熊本県が九州各県と比較してどれだけ野球場が少ないかを、数カ月かけて調査したものであります。 実態調査資料の要諦部分だけ紹介しますと、熊本県内で2,000人以上の観客を収容できる、換言すると、高校野球の一般的な観客数を収容できるのは、藤崎台県営球場、県営八代球場、そして山鹿市民球場の3球場だけであります。 では、九州各県に同程度の野球場がどれだけあるかといいますと、沖縄県が16球場、福岡県が15、宮崎県が14、鹿児島県11、大分県10、佐賀県7、長崎県5球場となっております。熊本県は、断トツ最下位であります。 このように、熊本の野球場は、硬式野球がマイナーな扱いを受けておりますが、私は、少なくとも長崎県並みの5球場はないと、野球王国熊本の名が泣くと思いますが、知事はどうお考えでしょうか。せめて5球場というと、あと2球場が必要ですが、これから私が提案することが実現すれば、一度に5球場という要件は満たすことになります。 藤崎台球場は、教育長も答弁で言われたとおり、県民にとって親しまれている球場なので、私も、球場をなくして移転するのではなく、引き続き利用していくべきと考えております。 ただ、その利用の仕方として、現在のようなプロ野球や高校野球の準々決勝以降のように大勢の観客が集まる野球場ではなく、樹齢1,000年のクスノキ群や周辺の公園と野球場が一体となった、いわゆるボールパーク的な野球場として残すことが、熊本市の熊本城復元整備計画ともマッチしやすいのではないかと思います。そして、施設の管理は、もちろん熊本城の管理者でもある熊本市に管理してもらうことが、政令市となった熊本市とのバランスをとる意味でも望ましいと思います。 一方、プロ野球や準々決勝以降の高校野球を行う県営球場は、私がこれまで主張してきましたが、広大な敷地である合志市の九州沖縄農研センターの国道沿いの緩衝地帯となっている県有地に新設すれば、駐車場を初めとした、藤崎台球場が抱えているさまざまな問題点が一挙に解決できるものと思います。今私は緩衝地帯と申しましたが、いわば遊休地と思えるような場所であります。 そして、私が、先ほど2球場ふやして、せめて長崎県並みの球場数にすべきと申しましたが、サブ球場を本球場の横に併設すれば、それが可能となります。ベースボールを野球という言葉に訳したと言われる正岡子規の出身地である愛媛県は、坊ちゃんスタジアムの隣にマドンナ球場というサブ球場が併設されております。高校野球は、両球場を同時に使っているとのことでもあります。 そのような野球場には、最低でも1,000台はとめられる駐車場が必要でしょうし、電車等の公共交通機関も絶対必要であろうと思います。もし合志市の九州沖縄農研センターの緩衝地帯の県有地に県営野球場が新設されるなら、敷地の広さからして、サブ球場と1,000台以上の駐車場も可能であり、何よりこれまで簡単に招致できなかったプロ野球を初め、さまざまな野球大会を開催することができ、熊本への経済効果や九州沖縄農研センターと連携した地域の活性化が相当見込めるものと考えます。 高校生にとっても、熊本市から自転車でも行ける距離にありますし、国道を挟み目の前が熊本電鉄の駅でもあり、歩いて2~3分と、小中学生やお年寄りが公共交通機関を利用するとしても、申し分のない場所であります。また、27年度開通予定のスマートインターからも10分と、大変交通アクセスにも恵まれております。 前回質問の際、教育長は、野球場の新設には莫大な費用と多額の維持管理経費が必要になると答弁されました。しかし、東北楽天イーグルスの本拠地である宮城県営野球場は、球団が全額出資し、野球場を全面改築いたしました。そういった民間資本の投入やPFIなど、知恵を絞れば莫大な費用はかからないのではないでしょうか。 民間資本を利用できる可能性のある方法として一例を挙げますと、今関東や関西で人気のある女子プロ野球は、ことしの5月、熊本市でも2日間公式戦があり、知事も、熊本出身の選手の表敬訪問があったので御存じのことと思います。 その女子プロ野球が、今後全国展開していく戦略の中で、九州か四国のどこかの県に南日本球団チームを本拠地として置く計画があるようであります。私の親しい友人であり、四国の野球事情に詳しい方にお聞きしましたが、四国はプロ野球独立リーグがあり、四国各県の主な野球場はその本拠地となっているので、四国に女子プロ野球リーグを持ってくるのは無理とおっしゃいました。 そうなると、九州のどこかに拠点を置くことになりますが、仮に熊本に置くことになった場合、楽天イーグルスのように、野球場の整備に全額出資することは、まだマイナーな存在の女子プロ野球球団には無理でしょうけれども、応分の負担はしていただけるものと考えております。 熊本県内の自治体が、ソフトバンクホークス2軍・3軍本拠地の誘致に成功し、そして、女子プロ野球の球団が熊本に本拠地を置くことになれば、熊本は、プロサッカーのロアッソやことし発足したプロバスケットボールのヴォルターズとあわせ、一大プロスポーツ王国になると思います。 知事は、幸せ実感くまもと4カ年戦略を県政の柱として、スポーツ振興及びスポーツによる地域活性化を重点戦略として位置づけられております。ソフトバンクホークス2軍・3軍本拠地の誘致にも知事の応援が必要でしょうし、合志市並びに熊本県のスポーツによる活性化のためにも、九州沖縄農研センターの緩衝帯となっている県有地の一部を、ぜひとも活用させていただきたいと思いますが、本県のスポーツ振興の観点から、蒲島知事の御所見を伺いたいと思います。 なお、これは、知事、後で教育長にもお渡ししますので。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 九州沖縄農業研究センターは、明治40年ごろに現在の県有地に立地されました。九州・沖縄地域の農業振興のための基礎研究等を担う中核施設として、現在も重要な役割を果たされています。稼げる農業を進める本県にとっても、なくてはならない研究施設だと認識しております。 また、国道沿いの敷地など研究施設の周辺は、外部からの病害虫や家畜伝染病の侵入を防ぎ、排気ガスなどの影響を緩和する緩衝地帯の役割を果たしています。また、試験及び生産圃場として有効活用もされています。そのため、研究機能を損なうことなく、野球場などに使用できる大規模な用地を確保することは困難だと考えております。 一方で、藤崎台県営野球場は、設置から53年が経過し、課題があることも認識しています。 ただ、昨年の9月議会で議員が述べられたように、ここはプロ、アマを問わず名勝負が繰り広げられた由緒ある場所です。また、特に県内の高校球児にとっては、聖地とも言える特別な球場でもあります。そのため、硬式野球ができる球場として、今後とも大切に使っていくことが求められているのではないかと思っています。 このたび議員から、2,000人以上の観客を収容できる硬式野球場の数が九州最下位という現状を踏まえた御提案をいただきました。その内容は、プロスポーツを含めた将来的なスポーツ振興の姿を俯瞰された上でのものであり、御見識が示されたものと拝聴いたしました。 私は、スポーツの振興は、元気な子供や若者をふやし、明るく活力にあふれた地域づくりに直結するものであると考えます。今後は、そうしたスポーツの力を十分発揮できるよう、野球場の整備も含めたスポーツ振興のあり方について、県教育委員会と連携しながら、しっかりと研究してまいりたいと考えております。  〔髙木健次君登壇〕 ◆(髙木健次君) 一抹の期待を答弁にしていたんですけれども、じぇじぇじぇというような感じであります。 非常にこの九州沖縄農研センターは、熊本県にとりましても重要な施設であります。そのことは私もよくわかっております。ただ、合志市のど真ん中にありまして、非常に再春荘あるいは国有地等が密集して、もう真ん中にあるんですね。ですから、ここは、どうしようにも、いかんともしがたい地域でありまして――出ていけと言うんじゃないんですよ、知事。少しばかり返してもらえれば、九農研と一緒にいろいろな連携した、物産館とか、そういうものを含めてできるんじゃないのかなと。 最近、国と県と合志市と、その協議会のテーブルをつくっていただいております。農研のほうからも、県とか市あたりからいろいろなそういう提案があれば協議をしたいという、懐の深い意見も聞いておりますので、その辺はぜひ協議をしていただきたい。 藤崎台県営球場が、本当に伝統と歴史があるというのはよくわかっております。ただ、使い勝手からいくと、本当に野球関係者の皆さん方から非常に不人気なんですね。どうしようもないと、プロ野球も呼べないと。そして、観客も、あそこの坂を登って歩いていかなければならない。駐車場を探すのも大変だということで、その辺の不平不満というのは、伝統ということとは別にして、非常にこういう意見が高まっておりますので、しっかりと知事もその辺を――この問題を解くには、非常に方程式をいろいろ解かなければならないと政審会のときにもおっしゃいましたけれども、そのとおりかと思いますけれども、一つ一つ、東大出身の蒲島知事ならできると思いますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。 大変時間が押してまいっておりますので、次の質問に入らせていただきたいと思います。 次に、熊本合志警察署(仮称)の設置についてお尋ねいたします。 私が居住している合志市は、菊池郡菊陽町等と同様、目覚ましい経済発展の中、居住人口と交流人口の増加が顕著となっています。その結果、これらを管轄する大津警察署の業務量は増大しており、署員1人当たりにおける刑法犯認知件数や人身交通事故の業務負担量は、県下23警察署中第1位となっているところです。 大津警察署は、これまで警察官の増員や本部と連携した各種治安対策を推進してまいりましたが、今後も大津警察署の業務負担量が増加し、将来的に同署管内の治安低下が容易に想定されるところであります。 また、山鹿警察署が管轄する植木町につきましては、政令指定都市に移行したことに伴い、熊本北警察署が管轄すべきところでありますが、植木町自体においても事件、事故が相当量発生している状況から、熊本北警察署が管轄することになれば、植木町及び熊本北警察署管内全域の効率的な治安対策に多大な支障が生じることになります。 このため、熊本市の政令市移行に伴う県警の私的諮問機関である警察署の管轄区域等を考える懇話会が平成23年7月に設置され、同年10月には、速やかに植木町を含む熊本市北部地域及び合志市を管轄区域とする新たな警察署を、現在の3警察署に加えて、政令指定都市内に設置する必要がある旨の意見書が提出されました。 この意見書を踏まえ、警察本部は、先月末――8月の末ですが、警察署再編計画案を策定され、現在、1カ月間のパブリックコメントの手続が実施されております。 公表された警察署再編計画案には、熊本市北区及び合志市を管轄する熊本合志警察署(仮称)を新設すること、新署は熊本市北区に設置することが明記されております。新聞等では、新署は、現在の熊本市内3署に次ぐ、署員約160人規模を想定しているとも報道されております。 また、新署の設置場所について、警察署再編計画案では、平成23年の警察署の管轄区域等を考える懇話会の意見書がそのまま採用され、北区内に新設となっており、残念ながら合志市民の強い要望は反映されていません。ただ、その仮称名については、管轄となる合志市民にもわかりやすくなっていると思います。 この再編計画案は、懇話会の意見書や関係自治体からの要望等を踏まえ、警察本部において、治安情勢の変化に的確に対応し、県民が安全で安心して暮らすことができる熊本県を実現することを目的に、全県的な治安バランス等を考慮し、具体的な計画の検討を重ねられたものと思います。 一方、我が合志市民も、治安対策に対して、全てを県警察に任せるというわけではありません。地域住民、防犯ボランティア等と連携、協働した自主パトロール等を精力的に進めてまいりました。 さらに、押し進んで合志市では、その市政の最重要課題の一つとして、安全安心なまちづくりを上げ、本年度からの2カ年事業として、防災行政無線整備のデジタル化を行う防災行政無線更新整備事業に着手し、有事の際、市民に対する情報の伝達が確実なものとなるよう、施設整備を推進しております。 さらに、地震等の災害時における非常用飲料水として利用するため、避難所等に自動販売機を設置することや、生活用水の補給及び救援物資などの提供並びに災害時の応急対策活動などを実施するため、民間企業との災害協定を締結しております。 昨年の豪雨災害のように、過去に例を見ない想定外の災害は、いつ、いかなるときに発生するか予知できないのであります。安全、安心の確保は、県民、市民だけで行うものではありません。無論、警察だけでなし得るものでもありません。県、市町村等、各行政機関と一体となった安全対策こそが極めて重要であり、そういった意味においても、新たな警察署の存在は、犯罪の抑止や事件、事故の早期対応などに大きな効果があるものと期待をしているところです。 ただ、新たな警察署の設置といっても、それは施設ができたというだけの話であり、そのことをもって安全、安心というわけではありません。それが真に地域の安全、安心のよりどころとなるためには、その警察署の管轄となる住民全員が、警察活動に対して一致協力できなければ意味がないのです。警察署そのものに魂が入らなければ、治安の向上はあり得ないのです。 そういった意味からも、合志市民、熊本市北区民、どちらにも新しい警察署が治安のシンボルとして認識されるように、また喜ばれるよう、その設置場所と名称については慎重に御検討をいただきたいと思います。 そこで、警察本部長に質問いたします。 県警では、たび重なる合志市民からの要望とこれまでの経緯を踏まえた上で、新署を熊本市北区に設置するのであれば、どのような場所に設置する考えであるのか、お答えください。また、警察署再編計画案において仮称となっている熊本合志警察署という名称は、このまま正式名称になると考えてよいのか、あわせて西郷本部長にお尋ねいたします。  〔警察本部長西郷正実君登壇〕 ◎警察本部長(西郷正実君) このたびの警察署再編計画案につきましては、近年の交通網の整備、都市化、IT化の進展などにより社会が大きく変化をする中で、犯罪等の警察事象も悪質、巧妙化、スピード化、広域化等が進展をしており、これに有効に対処をするためのものであります。 この中で、熊本市北区と合志市を管轄する新たな警察署は、近年拡大した熊本市の区域と、人口の増加などにより業務が増大しております大津警察署が管轄する区域における治安問題に対処するため設置するものであります。 新たな警察署の設置場所につきましては、警察事象の発生状況や熊本市が政令指定都市に移行したことなどから、熊本市北区としております。しかしながら、具体的な設置場所に関しましては、新たに管轄区域となる熊本市北区と合志市の住民の方の利便性、他の官公署との連絡などを勘案し、いかに適切に管轄区域の治安を維持、向上できるかという観点から、調査検討を行っているところであります。 また、新たな警察署の名称につきましては、管轄区域が熊本市の一部である北区と合志市となることから、管轄区域がわかりやすく、住民の方に親しみを持たれる名称を検討した結果、仮称ではありますが、熊本合志警察署としております。 警察署再編計画案につきましては、現在パブリックコメントを実施しているところであり、名称につきましても、これらの結果を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。  〔髙木健次君登壇〕 ◆(髙木健次君) 今本部長のお話では、場所については、新たに管轄区域となる熊本市北区と合志市の住民の方の利便性、また、ほかの官公署との連絡、事件、事故等の抑止効果、その他の事情を勘案して、いかに適切な場所に持ってくるかということを検討しているというふうなお話でありましたが、場所については、非常に、言われたとおり、交通のアクセス、いろいろなそういう問題が絡んでおりますので、私たちがどこどこにしろということはなかなか言えないし、しっかりとこの場所については、本部長、またパブリックコメントでもいろいろ出てきていると思いますけれども、よろしくお願いしておきたいと思います。 そして、名称は、親しみやすいということで、わかりやすいということで熊本合志署という仮称をつけたということでありますが、欲を言いますならば、合志熊本署とつけていただければ、非常に、志を合わせる熊本署、語呂がいいんですね。この辺もぜひ検討していただきたいと、厚かましい話かもしれませんが、あくまでも検討していただきたいというふうに思っております。 時間が押しておりますので、最後の要望もありますので、こちらのほうに移りたいというふうに思います。 ハンセン病療養所に関する問題について要望をいたします。 私の地元には、全国に13カ所あります国立のハンセン病療養所において、最も入所者の多い菊池恵楓園があります。ここに入所されている方の平均年齢は81歳を超え、高齢化に伴い、看護や介護を必要とされる方が年々増加しておられます。 平成21年4月に施行されたハンセン病問題の解決の促進に関する法律、いわゆるハンセン病問題基本法では、国の隔離政策により受けた患者の被害を可能な限り回復することを旨として政策を行わなければならないと定められております。 しかし、療養所職員の数は、国家公務員の定数削減計画に基づき、年々削減されております。看護や介護の現場での人手不足は、食事や排せつの世話のサービスの低下、誤嚥や転倒による骨折などの増加等、深刻な状況を招きかねません。 そこで、このような中、本年7月に岡山市で開催された全国ハンセン病療養所所在市町村連絡協議会では、国会及び国に対し、13項目の推進、充実、実現を求める決議が行われております。 この決議の一つである入所者、所在都県、所在市町、国の定例的な協議会の場を設置してほしいという要望が出されておりますので、つきましては、県も、市と連携して取り組みを推進されることを強く要望いたしまして、今回用意いたしました質問、要望等、全て終了いたしました。 最後まで御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(藤川隆夫君) 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。  午後0時13分休憩    ――――――○――――――  午後1時15分開議 ○議長(藤川隆夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 森浩二君。  〔森浩二君登壇〕(拍手) ◆(森浩二君) 自由民主党・玉名市選出の森です。今9月議会の代表質問及び一般質問の最後を務めさせていただきます。 午前中の知事の答弁を見ていますと、非常にパワーあふれる、何事にも積極的な知事を見ているようでした。最初に知事を見たときには、弱々しくて、お公家さんを見ているのかなと思っておりましたが、5年間で随分変わられたものだと思っております。 私は、2年ぶりの一般質問でありますが、昨年の12月議会の委員長報告において声が出ず、きょうも声が出るのかと心配であります。あれ以来、私の中に虎と馬が住みついて、皆さんの前でというか、議場での発言が怖くなりました。これは、いわゆるPTSD、心的外傷後ストレス障害じゃないかなと思っております。年も60にもなって心のストレスになるんだなと思うとき、子供たちへのいじめ、体罰、虐待等があった場合、大人たちよりも大きなストレスになってくるのではないでしょうか。いじめ、体罰、虐待は、絶対にあってはならないと思うところです。 さて、今回の質問は4項目ですが、もう1つ、TPP問題を質問しようとしたのですが、本年7月23日から、日本が12番目のTPP交渉参加国として認められたのを受けて、TPP条文の守秘義務契約を結んだため、交渉内容が伝わってこないので回答ができないとのことで質問は中止にしたわけですが、9月23日の報道によりますと、TPP交渉で日本が関税撤廃に応じる自由化率は、協定発効後1年間は75%と各国に提案したことを交渉筋が明らかにしたとの報道があっておりました。 TPP交渉内容は、市場アクセス、知的財産、競争政策、環境等の多方面にわたりますが、年内に交渉を終了させられるよう、各国は協議を一気に加速させているようであります。県としても、情報が伝わってこない中、わかる範囲内でいろいろなシミュレーションを立てて対策を練っておくべきだと思われます。 それでは、1番目の道州制について質問いたします。 この道州制への問題は、先ほど話したTPPの問題で話題が薄れておりますが、日本の将来のあり方としてしっかりと議論すべきものと思っております。 去る6月議会で、鬼海議員の質問に対して、道州制は「経済的な豊かさや安全、安心など、九州の人たちの幸福量を最大化するためには、九州が一体となって自立的に対応できる道州制のほうが都道府県制よりも手段としてすぐれていると、私は考えています。」と、知事は答弁されております。しかしながら、私は、この道州制の議論には慎重に対応すべきだと思っておりますので、町村会の反対が強くなる中、6月議会での鬼海議員の質問に続いて質問いたします。 昨年12月、現政権が誕生する際に、マニフェストに掲げられたのが道州制の導入であります。最近では、アベノミクスや消費税の裏に隠れて国の議論が見えないところでありますが、地方においては、市町村を初め、道州制についてさまざまな声があると聞いております。 この道州制については、古くは戦前にも議論が行われていたとのことであり、きょうに至るまで、議論が盛り上がったり沈静化したりと、議論が繰り返されてきたように思います。 近年で一番議論の盛り上がりを見たのが、第28次の地方制度調査会から道州制のあり方に関する答申が出された平成18年、そして、政府が道州制担当大臣のもとに道州制ビジョン懇談会を設置して検討が行われた平成19年ごろのことです。くしくも、このときの首相が現在の首相、安倍首相であります。 この時期、本県議会でも、平成19年に道州制問題等調査特別委員会が設置され、以来、中立的な立場で議論が深められてきております。 その後、民主党政権のもとでは議論が停滞していたようですが、その間も自民党では、道州制推進本部において検討が進められました。第2次安倍政権が発足後、与党の自民、公明両党は、道州制推進基本法案の骨子案を示し、国会提出の準備を進めていると聞いておりました。そうした中、現在、政府は、与党の議論を注視する姿勢であります。 道州制を担当する新藤総務大臣は、9月3日の記者会見において、法案については、与党内の議論であるから、我々はそれを注視し見守っている状態、内容について、どこがよいかなどといった個別のコメントを今の時点でするつもりはない、取り組まなければならない課題は整理されているし、地方からの声のヒアリングも党で進めている、知事会や市長会、町村会など、いろいろな地方の団体からも御意見をいただいているので、総合的にまずは受けとめて、しっかりと議論していただきたいと期待していると発言されております。 その地方団体において、どのような議論が行われているかといいますと、まず、全国知事会では、賛否両論があって議論が続いている状況のようです。報道によりますと、7月に開催された全国知事会議では、提言をまとめるに当たって、焦点の一つだった与党の法案への賛否について、知事間で意見調整がつかず、課題や問題点を指摘する内容にとどまったとされております。 一方、全国町村会は、道州制について明確に反対の姿勢を示しております。平成20年の全国町村長大会で、強制合併につながる道州制には断固反対していくとの特別決議を行い、それ以来、道州制には一貫して反対してきております。昨年11月にも、反対の特別決議を行っております。 この決議の内容ですが、まず、道州制に反対する理由として「道州と基礎自治体という二重構造を想定し、地域の実態や住民の意向を顧みることなく市町村の再編を強いることとなれば、我が国にとって重要な役割を果たしてきた多くの農山漁村の自治は衰退の一途を辿り、ひいては国の崩壊につながる」として、道州制の導入により市町村再編を強制され、自治の衰退を招くのではないかという危機感を示しています。 次に「これまでの道州制論議は、国民的な議論がない中で、現行の都道府県制度のどこにどういう問題があるのか、道州制は一体何をもたらすのか、道州制での国と道州、基礎自治体の具体的な役割、税財政制度等について明らかにされないまま、あたかも今日の経済社会の閉塞感を打破しうるような変革の期待感だけを先行させ、主権者たる国民の感覚からは遊離したものとなっている。」として、国民的議論が欠如し、道州制の具体的なイメージが明らかでないことを指摘しています。 さらに「道州制は、地方分権の名を借りた新たな集権体制を生み出すものである。」と指摘し、「税源が豊かで社会基盤が整っている大都市圏へのさらなる集中を招き、地域間格差は一層拡大する。加えて、道州における中心部と周縁部の格差も拡がり、道州と住民の距離が遠くなって、住民自治が埋没する懸念すらある。」と指摘し、道州制の導入により、地域間格差の拡大や住民自治の埋没を招くとの懸念を示しています。 そして「もとより、どの地域においても国民一人ひとりが安心して暮らすことのできる国土の多様な姿に見合った多彩な市町村の存在こそが地方自治本来の姿であり、この国の活力の源泉であることを忘れてはならない。」とし、「よって、我々は、改めて道州制の導入に反対していく。」と結ばれております。 同様に、本県の町村会においても、本年3月に道州制反対の特別決議を行い、4月には蒲島知事への要望活動も行われました。また、5月には、九州の町村長が集まる会合が熊本市で開催され、道州制反対の決議が行われております。また、9月の町村議会では、道州制反対の立場で国や県に意見書が可決され、提出されるようです。 このような町村会の反対の主な理由を総括すれば、道州制の導入で地域間格差が拡大するのではないかという懸念や、道州制導入による国、県からの権限移譲に備えて、20万から30万規模の自治体になるために、自主的な再編と称する合併を強いられるのではないかという不安があると思われます。少子高齢化が進む中、職員数や財政の面で小規模な町や村が、そのような懸念や不安を抱くのは無理もないことと思われます。 知事は、将来の州都実現も視野に入れ、道州制の導入について積極的な姿勢を示されておりますが、このように町村会が道州制反対の姿勢を明確に示している状況の中、知事は、道州制の導入を今の考えのまま進めていかれるのか、また、どう修正されて進めていかれるのか、改めて知事の考えをお聞きします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私は、地方自治において、都道府県制や道州制といった制度は手段であり、国民の幸福量の最大化こそが目的であると考えています。 そして、この目的を果たすためには、画一的な中央集権体制を改めて、地方のことを最もよく知る地方みずからが責任を持ち決定していく、真の地方分権を進めることが大事だと思っています。 少子高齢化や東京一極集中、経済のグローバル化の進展など、社会情勢の大きな変化に対し、スピード感を持って強力に対応していくためには、現在の都道府県制を前提とした分権には限界があります。 経済的豊かさの実現、安全、安心の確保などの課題については、九州が一体となって自立的に対応していくほうがふさわしいと考えています。 道州制は、日本の自治の形を変える大きな改革であり、その導入の必要性も含め、国民的議論が不可欠であります。道州制の理念を示し、国民が抱く懸念について、関係者がしっかりと議論を行い、その結果を一つ一つ共有していく必要があります。 このような考えのもと、先日、私は、県町村会の役員の方々と意見交換を行いました。町村会からは、道州制の導入で市町村の再編を強いられるのではないか、それによって都市部と周辺部の地域間格差がさらに拡大するのではないか、また、住民との距離が離れ、地域独自のきめ細やかな対応ができなくなるのではないかという意見がありました。そうした懸念や不安を理由に、改めて町村会としては道州制には反対であるとの立場を示されました。 知事と町村長という立場の違いはあっても、お互いが率直に意見を交わしたことで、考え方の異なる点や相通ずる点をよく理解でき、有意義であったと考えています。 今後も、住民の幸福量向上という共通の最終目的をしっかり見据えて意見交換を行い、地に足のついた道州制の議論を重ねていきたいと考えています。  〔森浩二君登壇〕 ◆(森浩二君) 道州制について答弁をいただきましたが、社会情勢の大きな変化に対し、現在の都道府県制を前提とした分権には限界があり、九州が一体となって自立的に対応していくほうがふさわしいと考えておられ、道州制は日本の自治の形を変える大きな改革であり、国民的な議論が不可欠との答えでありました。 やはりどんな反対論があろうとも、知事自身の考え方は変わっていないように感じました。しかし、住民の幸福量の向上という最終目標をしっかり見据えて意見交換を行い、地に足のついた道州制の議論を重ねていきたいとの考えも持っておられ、今後ともじっくりと道州制議論をすべきだと思います。 次に、有明海沿岸道路(Ⅱ期)の整備について質問いたします。 この有明海沿岸道路は、荒尾・玉名郡市はもとより、熊本市の発展には欠かせない重要な路線であるため、荒尾・玉名郡市の議員は幾度となく質問しております。知事は、県南振興ばかり力を入れておられるように見えますが、県北のほうにも力を入れてもらえたらと思います。その思いを込めて質問いたします。 有明海沿岸道路(Ⅱ期)は、有明海沿岸道路と一体となって、佐賀県、福岡県、熊本県の主要都市や熊本港、長洲港、三池港などの重要な拠点を連絡する有明海沿岸地域の地域振興や経済活動に欠くことのできない重要な路線です。 この道路は、国道208号の渋滞緩和、バイパス機能として期待されていることはもちろんのこと、福岡県大牟田市を中心市として、荒尾市、長洲町、南関町、みやま市、柳川市の4市2町で構成されている有明圏域定住自立圏と玉名市を有明海沿岸道路(Ⅱ期)で結ぶことにより、県域を越えた総人口約40万人の大きな経済圏ができ上がることになります。 さらに、グリーンアジア国際戦略総合特区に指定されている大牟田市を中心に、長洲町の名石浜工業団地を含め、この定住自立圏域における念願である工業出荷額を、現在の約6,000億円台から1兆円台に引き上げる展望が開けることにもなります。あわせて、玉名地域の豊富な海産物等を中心として、物流、時間コスト低減などの経済的効果も、より一層の発現が期待できます。 その他にも、沿線には、長崎とのアクセスルートである長洲港、熊本港があり、また、アジアとの国際コンテナ定期航路を持つ三池港や、ことし12月から韓国との就航が公表された有明佐賀空港があり、熊本、福岡、佐賀、長崎の4県の有明海沿岸地域における経済活動の活性化に大きく寄与するものと考えています。 私を含む荒尾市、玉名市、玉名郡の県議会議員5名と長崎県島原市、雲仙市、南島原市の長崎県議会議員4名の計9名で、有明海を挟んで長崎県島原地域及び熊本県荒尾・玉名地域の地域間交流の促進、観光振興など、両地域の活性化を目指し、県境を越えた広域的な連携を図ることとして、島原・有明県境議員連絡会議をことし4月に立ち上げたところです。 この有明海沿岸道路(Ⅱ期)が開通すれば、熊本県と長崎県が共同出資して長洲港と多比良港間を運航する有明航送船組合の有明フェリーも、経営強化につながると思われます。また、他県ではありますが、島原半島の経済活性化にもなるし、広い意味での九州北部の連携強化及び人流、物流の活性化により、大きな経済効果が発生すると思います。 このような状況により、地域の活性化の骨格となるインフラとして、有明海沿岸道路(Ⅱ期)への期待が高まっています。 以上のように、有明海沿岸道路(Ⅱ期)を含む有明海沿岸道路は、有明海沿岸の長崎県、佐賀県、福岡県、そして本県の4県にとって重要な路線となるものであり、沿線地域の期待も非常に大きいものがあります。 そこで、その整備状況を見てみますと、福岡県、佐賀県側は、55キロのうち約30キロが開通しており、福岡県大牟田市の三池港インターチェンジまで開通しています。一方、熊本県内においては、平成10年に候補路線に指定されて以降、その後の事業化に向けた動きが全くありませんでしたが、今年度から、国が、大牟田市から長洲町間について事業化に向けた調査を進められており、去る8月27日には、計画段階評価に着手されたと聞きました。ようやく有明海沿岸道路(Ⅱ期)が動き出したことをうれしく思っています。 しかし、これまで私たち議員も国土交通省等に要望してきましたが、あるとき国の幹部の方から、なぜ熊本県だけで要望に来るのかというようなことを言われました。隣接県とつながる九州中央自動車道や南九州西回り自動車道、中九州横断道路については、宮崎、鹿児島、大分、それぞれの知事がそろって要望活動が行われて、その成果が予算配分等につながっているように感じています。 有明海沿岸道路(Ⅱ期)が動き始めた今こそ、有明海を囲む長崎県、佐賀県、福岡県、そして熊本県が連携し、整備の必要性や整備効果を国に訴えることが必要ではないかと考えています。 そこで、有明海沿岸道路(Ⅱ期)の一日も早い事業着手のためにも、4県と連携した要望活動についての県の考え方と、この実現に向けてどのように取り組んでおられるのか、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長船原幸信君登壇〕 ◎土木部長(船原幸信君) 有明海沿岸道路(Ⅱ期)は、福岡県、佐賀県で整備中の有明海沿岸道路と一体となって、九州における幹線道路ネットワークの一部を形成し、有明海沿岸地域の連携や交流促進を図る上で重要な路線でございます。 本年度から、大牟田市から長洲町の区間について、国が事業化に向けた計画段階評価を進めることとなりました。この状況を踏まえ、今月2日には、知事が、国土交通大臣に対して、同区間の計画段階評価の早期完了と全線の国直轄による早期整備を要望いたしました。 議員御提案の4県で連携した要望活動についてでございますが、県単独で行う要望活動に比べ、国へのアピール度が高まるものと考えております。そこで、各県の意向を伺いながら、連携した要望活動の実現に向けまして検討してまいります。  〔森浩二君登壇〕 ◆(森浩二君) 今の答弁で、4県で連携して要望活動を行うということでしたけれども、9月には、知事におかれましては、要望活動、本当にお疲れでした。さきの答弁で、国土交通省大好きと言われた知事ですので、これからも要望のほうをよろしくお願いしておきます。 私たち議員も要望活動を行っておりますが、昨年要望活動した国土交通省の事務次官や技監及び九州地方整備局の局長、道路部長が、先ごろ全員異動されましたので、改めて要望活動をことしまた行いたいと思っております。それと、10月に、荒尾・玉名郡市の期成会で上京して要望活動をすると聞いておりますので、その辺のバックアップもよろしくお願いしておきます。 早期の計画路線になるよう、頻繁に要望活動を行っていただくようお願いして、次の質問に入りたいと思います。 次は、熊本港の利活用について質問いたします。 この熊本港は、昭和49年に重要港湾の指定を受け、昭和54年に熊本港大橋工事に着手した後、水深7.5メーター岸壁を筆頭に、岸壁や航路、防波堤を整備し、熊本都市圏における人流、物流の拠点港湾であり、県北地域のコンテナ基地と位置づけられた熊本県の重要な港と認識しております。 この熊本港には、平成5年3月にフェリーの就航を開始し、平成11年7月には国際コンテナ船の航路を開設、また、昨年10月には荷役の安定にすぐれたガントリークレーンを整備し、荷も順調に伸びていると聞いております。 このガントリークレーンを利用することで、博多までの輸送コストが縮減され、地元企業の経費節減に寄与しており、船便増加など、今後の期待も大きいものであります。 また、玉名市内のブリヂストンや長洲町のLIXIL等、玉名市周辺の企業も、博多港から熊本港へ荷物もシフトしているとお聞きしております。また、長崎県とのフェリー乗降客も90万人を超えており、熊本港は、人流、物流の拠点港としての整備が整えられてきたと思われます。 このような中、熊本港にクルーズ船が初めて入港予定とのこと。クルーズ船は、今まで県内では八代港と三角港に入港してきた。また、牛深港では、沖に停泊し、小型船に乗りかえて上陸したことがあると聞いています。 今回熊本港に入港するのは、本年9月27日に熊本港を出発し、28日に出雲へ入港し、出雲大社等を観光、29日に熊本港に帰港する。2万2,000トン級で532人定員の「にっぽん丸」が熊本港から発着予定である。 また、本年10月18日には、2万7,000トン級で644人定員の「ぱしふぃっくびいなす」が熊本港へ寄港するとのこと。これは、横浜港を出発して、神戸港や苫小牧港などを回る日本一周クルーズで、熊本港に寄港中には、熊本城や阿蘇山への観光ツアーが企画されているようだ。この観光ツアーにより、県内への経済波及効果があるものと思われる。 最近の例では、平成24年10月に、八代港へ7万5,000トン級の「コスタビクトリア」が入港しており、関係者の話によると、約9,000万円の経済効果があったとのこと。 以上、これまで述べたように、熊本港は、コンテナ船、フェリー、クルーズ船と、さまざまな利用活用されており、その存在価値は大きいと思われる。 そこで質問ですが、今後の熊本港の取り組みについてどのように考えているか、県としての考えを土木部長にお尋ねします。  〔土木部長船原幸信君登壇〕 ◎土木部長(船原幸信君) 熊本港は、熊本都市圏における物流、人流の拠点港湾であり、県北地域のコンテナ基地と位置づけ、港湾機能の向上のため、国及び県において、施設整備を順次進めてまいりました。 物流機能の面では、昨年10月のガントリークレーン設置後、定期航路が週1便から2便に増便されており、また、取り扱いコンテナ貨物も、ことし1月から8月までで4,432TEUの取扱量となり、前年同期比の1.4倍を超える状況でございます。 一方、人流機能の面では、熊本港に入港可能な最大クラスのクルーズ船に対応した大型客船航行安全規則を策定いたしました。この9月に大型客船「にっぽん丸」が、また、10月には「ぱしふぃっくびいなす」が相次いで入港するなど、交流人口の増加につながっていくものと期待をしております。 今後も引き続き、熊本港の拠点性向上を図るため、商工観光労働部が行うポートセールスと連携するとともに、港の機能保全を図るための航路しゅんせつや防砂堤の整備、さらには、港フェスティバルなどのイベント会場としての利用を促進するなど、現有施設の有効活用に取り組んでまいります。  〔森浩二君登壇〕 ◆(森浩二君) 本来ならば商工観光労働部長に質問すべきだったと思いますが、今回はあえて土木部長に質問いたしました。 今回のクルーズ船入港には、熊本港大型客船航行安全規則を策定するに当たり、海上保安庁との協議が大変だったと聞いております。また、岸壁の延長や整備も、国土交通省と協議して、大型クルーズ船が入港可能になったようで、港湾課におかれましては、大変お疲れさまでした。 そのような努力もあって、今回大型クルーズ船が入港できるようになったので、商工観光部局と連携してポートセールスをしっかりやっていただきたい。特に、クルーズ船は、2012年の日本のクルーズ人口は、前年比16.2%増の21万6,700人に達し、ことしはさらなる大幅増加が見込まれているそうです。次には、全長241メーター、全幅29.6メーター、乗客数872名の日本最大の豪華客船「飛鳥Ⅱ」が入港するように、商工観光労働部長にポートセールスを頑張ってもらいたいと思います。 また、県内の観光地は、阿蘇山や熊本城ばかりでなく、県北荒尾の本年度世界文化遺産に推薦された旧三池炭鉱跡の万田坑も観光地に入れてもらうことを要望して、次の質問に入ります。 電気自動車の充電インフラ整備についてお尋ねします。 最近、町中でも電気自動車を見かけるようになり、また、道の駅などで充電器の案内板をたびたび目にするようになりました。県内でも、タクシー会社が電気自動車を積極的に導入するなど、普及が進んでいるようです。 今、地球温暖化などの環境問題、さらに、石油など化石燃料のエネルギー安定供給問題から、次世代自動車については電気自動車が本命視されているそうです。国では、電気自動車の普及のために、EV・PHVタウン構想を策定しており、熊本県もモデル地域の指定を受けたと聞いております。 先日、タクシーに乗車した際、最初は気づきませんでしたが、走行時の音が静かなので電気自動車だとわかりました。運転手に感想を聞きますと、まずガソリン代がかからないのがいいし、加速もいい、CO2削減に貢献しているという誇りも生まれる、しかし、電欠の不安から運行は市内に限っており、遠出をするには充電器の数がまだまだ十分ではないので、もうけが出る遠距離のお客さんを乗せられないという話でした。 そこで、国のデータを調べてみますと、県内における電気自動車の数は、平成25年7月末で498台であり、福岡の1,724台に次ぎ、九州2位でした。県民の環境意識の高まりや燃油高騰の影響もあり、普及が進みつつあるものと思いますが、電欠に対する不安を解消するだけの充電インフラがもっと整備されれば、電気自動車の普及台数は今後確実にふえていくものと思います。 さらなる普及については、特に20~30分間で8割の充電ができる急速充電器の設置数が鍵を握ると思われます。しかし、現在、県が設置したものに限ってみれば、昨年度利用回数343件の道の駅阿蘇を初め、無料の急速充電器設置箇所6カ所、有料施設3カ所、計9カ所の急速充電器設置箇所がありますが、まだまだ少ないと思われます。 その背景として、急速充電器でフル充電しても、電気代そのものは200円から300円程度なのですが、一時的に高圧電流を使用するため、設置者は、一般家庭での使用量並みの従量電灯Bという分類から、低圧電力もしくは業務用電力Aという分類へと契約を変更せねばならず、それに伴い電気料金の基本料金がはね上がってしまうとのことです。 基本料金としては、さまざまなケースがありますが、参考的には、一般家庭で使用する従量電灯Bでは、40アンペアで基本料金は月に1,134円、80分くらいで充電できる低圧電力では、30キロワットで月に2万8,980円、30分ぐらいで充電できる業務用電力Aでは、100キロワットで月に19万5,300円になるそうです。よって、利用者側のニーズは高いものの、高額な基本料金の負担感が、急速充電器の数がさほどふえていない大きな要因になっていると聞いております。 そこで、電気代のランニングコストの問題を含め、今後の急速充電器のインフラ整備について、県としてどのようなお考えか、商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕 ◎商工観光労働部長(真崎伸一君) 電気自動車用の充電器の整備については、安心して走行できる環境をつくるためには、まず自治体が先行して整備する必要があるとの認識のもと、県では、平成22年11月にEV・PHVタウン構想を策定しました。平成25年度までに、急速充電器10カ所、普通充電器80カ所程度を県で設置することとし、現在着実に整備を進めております。 一方、ことし2月に成立した国の平成24年度補正予算において、自治体や民間の充電器設置に対して、補助率の高い補助制度が設けられました。 県では、民間事業者がこの補助金を受けるために必要な充電インフラ整備ビジョンをいち早く策定し、説明会などを通して補助制度の周知に努めています。 また、最近では、設置費用から国の補助金を控除した自己負担部分についても、自動車メーカー4社が共同して費用を負担する動きも出てきております。 県としましては、このような国及び自動車メーカーを挙げての充電インフラ整備の流れを最大限活用して、民間による充電器設置の後押しを行い、急速充電器の整備を進めてまいります。 また、県が店舗や集客施設などに急速充電器を設置し、管理をお願いする場合、設置先によっては、電気使用料の基本料金が大幅に上がることから、協力に難色を示されるケースもございます。 これに対しまして、県では、さほど基本料金が上がらない電気引き込み契約の特例制度の紹介や、施設全体で電気使用量の調整を図るデマンドコントロール機器の設置などの提案を行い、御理解をいただくよう努めております。 急速充電器を設置する際の電気料金体系の見直しなどについては、国や電力会社の協力が必要であることから、県としましては、これからも機会あるごとに国などに対して意見を申し上げてまいりたいと考えております。  〔森浩二君登壇〕 ◆(森浩二君) 卵が先か鶏が先かの議論がありますけれども、やはり急速充電器を先に設置しないと、電気自動車を安心して購入しないのではと思います。まずは、先ほどの回答のように、民間による充電器設置の後押しを行い、特に1時間ぐらい時間のかかるスーパーなどの商業施設等やレストランなどにも、県も積極的に後押しをしてもらいたいと思います。 また、基本料金が高いのがネックになっているので、回答のとおり、電気料金体系の見直しを国のほうに要望していただきたいと思います。 残り16分ですけれども、要望を2点ほどしたいと思います。 人・農地プランに関する要望。 人・農地プランの農地集積の問題について質問しようかと思ったのですが、昨日、浦田議員が質問されましたので、人・農地プランに対する要望をさせていただきます。 農村では、以前から、慣習や集落内の決め事として、用排水路の泥上げ、草刈りなど、農家の共同作業として行ってきました。こういったいわゆる公役は、集落に住む者の当然の義務であり、地域コミュニティーが農業用施設を維持管理する仕組みとして、どこの集落でも有効に機能していました。 しかし、最近では、そういった仕組みが壊れているように思われます。私の地域では、あちらこちらの田んぼで、背丈や色など見た目が明らかに生育ぐあいが違う稲が見られます。疑問に思って近くの住民に聞いてみると、そういった田んぼは地区外の人に貸している農地とわかりました。そして、そういった田んぼの周囲では、用水路の雑草が茂り、用水路の水をせきとめていることから、下流の農家がその用水路の掃除を行い、水を自分の水田に引いているなど、地域でも問題になっています。 こういった入り作は、恐らくどこの地域にも見受けられるものと思いますが、もともとは集落内に借り手となる農家がいなかったため、集落外の農家に貸すしかなかったのでしょう。そして、農地を借りた集落外の農家と集落内の農家のつながりが乏しいため、集落の共同作業による用水路管理に参加していないことがその原因と思われます。 一方で、他の集落で農地を借りている農家は、あちらこちらの後継者のいない農家から農地の借り入れを頼まれ、農地を借りて経営を拡大してこられたのだと思います。こういった大規模な農家の方々からは、頼まれた農地を借り入れてきたが、多数の集落に農地が広く分散しているので、機械の移動にばかり時間をとられるとか、農地を借りてほしいと頼まれることが多いが、もう限界で断っているとかいった声をよく聞きます。恐らく、草刈り等の小まめな管理までなかなか手が回らないのが現実だと思います。 大規模稲作農家にとっての水田のあぜの草切りは、大きなコストがかかります。平たん地の10ヘクタールの農地では、1回の草刈りに、周辺部まで含めると約1週間かかると言われています。平均年3回草刈りをすれば、大変なコストがかかるので、草刈りを放置しているのだと思われます。 本県の農業において、残念ながら、農家の高齢化や後継者不足から、今後とも農家の減少傾向が続くと考えられ、集落外からの入り作は今後も増加していくでしょう。集落内の農家と入り作者の間にある意識の溝や農地を引き受ける担い手の農地が分散しているためで、効率が悪いことなどは、今後、農村や農地を守り引き継いでいく上で、大きな問題となっていくと思われます。 私は、この問題の解決のためには、地域の関係者が、地域の将来について話し合うことが非常に重要だと思います。集落内の地元農家の皆さんが、他集落からの入り作者等も地域の担い手として認知し、一緒に地域の農業、農村の将来を考えていくことが必要です。集落の農地や農業環境の維持に力を合わせるための決まりや役割分担をつくることや、農地の分散を解消し、担い手の作業効率を高めることを一緒に考えていかなければ、これからの農村の維持、発展は困難だと思います。 聞けば、集落内の農家と集落外からの入り作者が一緒になって話し合い活動を行い、法人化を目指している取り組みもあるとのことです。すばらしいことだと思います。そこには、高齢化した農地の所有者の強い意向が働き、集落外の農家も交えた法人の設立を目指しているとのことです。 現在、国では、農業分野の成長戦略の一つとして、今後10年間で担い手に耕地面積の8割を集積、集約し、人・農地プランを法的に位置づけるということが、産業競争力会議等で議論されています。 この人・農地プランは、農業に対する担い手の高齢化や耕作放棄地対策など、地域農業が抱える課題は多く、この問題について、5年後、10年後を見通して、地域ぐるみで解決するための取り組みが人・農地プランの作成であり、人・農地問題解決推進事業の支援事業であります。 今年度からは、市町村段階の地域農業支援組織の連携、分担を明確化することにより、推進体制を強化する地域農業支援組織連帯強化活動支援も実施し、対象となる組織は、市町村を初め、多くの組織で連帯、分担を行って支援するものである。 この人・農地プランに位置づけられると、青年就農給付金、農地集積協力金、スーパーL資金の当初5年間の無利子化、経営体育成支援事業の4つの事業が、農家の主体的な経営を支援する制度であります。 県内では、本年度中に8割を超える集落をカバーして、人・農地プランが作成されると聞いています。担い手への農地集積に当たっては、地域の話し合いが基本となります。その話し合いの結果、地域の皆さん方が認めた担い手に農地をまとまった形で集積していく、このことで機械の移動時間も短縮できます。担い手にとっても、地域の住民が、用水路等の維持管理など、一定の役割を担うことで助けることになるし、地域の農業資源も維持されていきます。 そこで、人・農地プランを地域で検討される際には、外部からの入り作者等についても必ず参加してもらうよう、特に留意していただきたいと思います。そのことによって、農業や農村社会の状況が大きく変化していく中、地域の中心となる担い手に対して、まとまった農地を集積することができ、農村を維持するための新しい仕組みを構築されていくものと考えています。 人・農地プランの作成主体は市町村ということは十分承知していますが、このような思いを十分お酌み取りいただき、人・農地プランの作成に当たっては、市町村等と十分に連携して取り組んでいただきますよう、強く要望いたします。 次に、2番目の要望ですが、主要地方道玉名立花線の道路改良について要望します。 この路線は、現在、玉名バイパスから北側の新玉名駅前を通過して、北側へは一部500メーターぐらい残して、玉名市内の区間は改良工事済みであります。一部500メーター間は、現在用地買収の状況であります。私が要望する区間は、玉名バイパスから南側へ延びて、玉名市街地へ接続する区間であります。 私は、5~6年前に、県議会の一般質問で改良工事を質問したところ、色よい回答をもらったような記憶がありますが、その後、1メーターも改良工事は進展しておりません。この区間の一部は20年近く前に買収されており、地元の人たちも早期の改良を望んでおられます。また、地元有志による改良要望書が出されたと聞いております。 このような状況なので、玉名振興局土木部に確認したところ、本路線の200メーターくらい横に玉名市の新庁舎が建設されているので、玉名市の将来計画と合致するよう計画したいので、玉名市と協議し、将来計画を早く決定するよう要請しているとのことであった。しかし、なかなか返事がなくて、現在に至っているとのことであります。 改良工事が進まないのは県だけの責任ではないのですが、地元住民とすれば、早期の完成を願うものであり、県と市の協議を密にして、主要地方道玉名立花線改良を推進していただきたく、要望するものであります。 5分ありますけれども、以上で私の一般質問は終了させていただきます。代表質問から一般質問までの5日間、大変お疲れさまでした。これで終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(藤川隆夫君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第25号まで) ○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第25号まで等に対する質疑を行います。 質疑の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 松岡徹君。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 日本共産党の松岡徹です。 知事の議案説明要旨、最近の県政動向の(2)景気・雇用情勢の動向等に関連して質疑を行います。 雇用情勢で有効求人倍率の上昇が触れられておりますが、非正規雇用の増大、ブラック企業問題など、労働・雇用問題は深刻さを増しております。 総務省の2012年の就業構造基本調査によると、非正規労働者の総数が2,042万人と、初めて2,000万人を超え、雇用者全体に占める割合も、38.2%と過去最高を更新し、熊本県内でも、非正規労働者が36.8%を占めています。 ブラック企業が大きな社会問題になっているとして、厚生労働省は、9月1日から、4,000社を対象に立入調査等を行っています。非正規雇用、ブラック企業問題に、県としても正面から取り組むべきではないでしょうか。とりわけ、県の指定金融機関や誘致企業での不当労働行為問題については直視すべきであります。 3月19日、熊本労働基準監督署が、肥後銀行の役員や部長ら3人を労働基準法違反容疑で熊本地検に書類送検、3月22日には、全行員約2,300人中2,080人に、残業代や休日出勤手当、計約2億9,000万円を支払っていなかったと肥後銀行が発表、未払いの残業代等を支払いました。また、肥後銀行に勤めていた男性が過労で自殺したと、妻と母親が損害賠償などを求め、提訴しています。 肥後銀行は県の指定金融機関であり、どう対応しているのか、指定金融機関としての資格が問われる等の声が寄せられています。県として、どう対処してきましたか。 誘致企業の工場建設に関する協定書では、企業は、労働関係法規を遵守し、健全で明るい職場環境の確立と適正な勤務条件の保持に努めるとなっています。ところが、そうした誘致企業の従業員の家族から、主人がかわいそう、夜中2時半まで仕事をしている、こんな状況では我が家も失業を覚悟しなければならない等の訴えが寄せられています。誘致企業の労働状況の調査や問題への対応はどうなっているのでしょうか。 県のしごと相談・支援センターへの労働相談では、昨年度、1,001件の相談のうち、632件が労働条件に関するものであります。県内の労働問題にどう対応していますか。商工観光労働部長に伺いたいと思います。  〔商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕 ◎商工観光労働部長(真崎伸一君) まず、過重な長時間労働や賃金不払い残業などの労働基準法違反はあってはならないことであり、企業が労働関係法令を遵守することは、当然の責務であると認識しております。 次に、県の対応ですが、国の各種啓発キャンペーンや法令遵守に関する強化月間の実施等について、ホームページへの掲載やパンフレットの配布等により、県民への周知に努めております。 また、賃金不払いなどのトラブルや職場での悩みに対して、社会保険労務士や弁護士が対応する労働相談や、事業所の就業規則を労働関係法令に則したものとするためのアドバイザー派遣事業等も実施しております。 今後とも、国と県それぞれの役割を踏まえながら、相互に連携して、労働環境の整備に努めてまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 答弁をいただきましたけれども、極めて抽象的、一般的な答弁でした。 結局は、肥後銀行問題や誘致企業での不当労働行為などへの県としての対応が、実際上はほぼやられていないというような回答ではなかったかと思います。 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律というのがあります。この法律は、リストラや労働条件引き下げなどが多発する中、国の労働基準行政では限界があるということで、都道府県労働行政の役割、任務を明確化したものであります。また、地方自治法、労働組合法による都道府県労働委員会の職務とは別に、都道府県の労働行政の強化を定めたものです。 第20条において、地方公共団体の個別労働関係の紛争への対応が整理されております。20条では「地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対する情報の提供、相談、あっせんその他の必要な施策を推進するように努めるものとする。」としています。また、2項では、国は、地方公共団体の施策を支援することが定められております。 こうした法の精神と規定に則して、私は、県としてもっと能動的な取り組みを求めたいと思います。 銀行法7条の2では、銀行の取締役等の適格性として「十分な社会的信用を有する者」を上げております。肥後銀行に対して、法令に照らしてのチェックと再発防止のための厳格な対応を求めるものです。 指定金融機関、誘致企業を初め、県内における労働・雇用問題、労働関係紛争の未然防止、解決のために、国と連携し、県としての積極的な対応が求められていることを指摘し、質疑を終わりたいと思います。 ○議長(藤川隆夫君) これをもって質疑を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第25号まで) ○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第25号までにつきましては、さきに配付の平成25年9月熊本県定例県議会議案各委員会別一覧表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第4 請願の委員会付託 ○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。 これをそれぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔請願文書表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 知事提出議案第47号から第49号まで ○議長(藤川隆夫君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第47号から第49号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第47号から第49号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第47号から第49号までを一括して議題といたします。  ――――――――――――――――― 第47号 教育委員会委員の任命について 第48号 公安委員会委員の任命について 第49号 収用委員会委員の任命について  ――――――――――――――――― ○議長(藤川隆夫君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第47号から第49号までに対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。    ――――――○―――――― 議員提出議案第1号及び第2号 ○議長(藤川隆夫君) 次に、お諮りいたします。 議員提出議案第1号及び第2号が提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第1号及び第2号を日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 議員提出議案第1号及び第2号を一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――議員提出議案第1号   生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置きを求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。  平成25年9月25日提出  提出者 熊本県議会議員 村 上 寅 美              鬼 海 洋 一              氷 室 雄一郎              松 田 三 郎熊本県議会議長 藤 川 隆 夫 様  ----------------------------------   生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置きを求める意見書 日本は、20年以上の長きにわたる不況のトンネルの中にあり、その間、経済社会に深刻な影響をもたらした。アベノミクスによる経済政策は、県内産業の振興や雇用に一定の効果をもたらしているものの、その効果は、個人消費にまでは及んでおらず、未だ、景気の回復感を個人レベルで実感できるまでには至っていない。 さらに、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定締結に向けて日本を含む12カ国による交渉が進行中の現在、第一次産業従事者を中心に、将来への不安感や現況への閉塞感が蔓延している。このことは、第一次産業にとどまらず、農林水産業が主力産業である本県では、地域経済への深刻な影響も懸念される。 このような状況の中で、平成26年4月及び平成27年10月に予定されている消費税の引き上げが実施されると、精肉、牛乳、青果、鮮魚等の生鮮食料品の消費意欲はいっそう冷え込み、生産や流通に携わる関係者への打撃は計り知れないものがある。 特に、増税分を価格に転嫁することが困難な状況にある第一次産業従事者にとっては、増税がすなわち所得の減少にもつながりかねず、生産意欲の減退により、国民生活に不可欠な生鮮食料品の安定供給へ重大なダメージを与えることは必至である。 一方、諸外国に目を転じれば、消費税など付加価値税を導入する際、農業への配慮と消費者負担の軽減のため、軽減税率が採用されている国が多く存在するのは周知の事実である。 よって、国におかれては、生鮮食料品の安定供給とその生産・流通関係者の経営の安定を図るため、また、消費税が有する逆進性を緩和する意味からも、生鮮食料品(精肉、牛乳、青果、鮮魚等)に係る消費税の税率を据え置かれるよう、強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  平成 年 月 日      熊本県議会議長 藤 川 隆 夫衆議院議長  伊 吹 文 明 様参議院議長  山 崎 正 昭 様内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様総務大臣   新 藤 義 孝 様財務大臣   麻 生 太 郎 様農林水産大臣 林   芳 正 様  ―――――――――――――――――議員提出議案第2号   平成26年度税制改正に関する意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。  平成25年9月25日提出  提出者 熊本県議会議員 村 上 寅 美              鬼 海 洋 一              氷 室 雄一郎              松 田 三 郎熊本県議会議長 藤 川 隆 夫 様  ----------------------------------   平成26年度税制改正に関する意見書 昨年12月の政権交代以来、いわゆるアベノミクスにより、我が国経済に明るい兆しが見られるものの、その効果は、未だ地域経済の活性化に及んでいるという状況にはない。 本県においても、個人消費が底堅く推移しているほか、製造業の生産が緩やかな回復を見せ、労働需給面の改善が続いているものの、雇用・所得環境は総じて厳しい状況にあり、景気回復を実感できるまでには至っていない。 国の経済政策の効果を、地域経済にも及ぼすためには、国と地方が連携・協力して、地域における内需振興や投資、消費、雇用の拡大に向けて積極的に取り組む必要があり、そのためには、基盤となる地方税財源の確保が重要である。 よって、国におかれては、現在議論されている平成26年度税制改正において、下記の事項について、特段の配慮がなされるよう強く要望する。          記1 償却資産に対する固定資産税課税について  成長戦略の柱となる設備投資減税の一環として議論されている償却資産課税の抜本的見直しについて、固定資産税は、市町村の重要な基幹税目であり、経済対策等の観点から償却資産課税の見直しを行うべきではなく、制度が縮減・廃止されれば、市町村の財政運営に極めて重大な影響を及ぼすこととなることから、現行制度を堅持すること。2 自動車取得税及び自動車重量税について  自動車取得税については、都道府県のみならず、税収の約7割の交付を受ける市町村の重要税源としても不可欠なものとなっており、自動車重量税も税収の約4割が国から市町村へ譲与され、市町村にとって貴重な安定財源となっている。  これらの見直しにあたっては、地方団体の意見を十分踏まえ、都道府県及び市町村に減収が生じないよう、安定的な代替税財源の確保を同時に実施すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  平成 年 月 日      熊本県議会議長 藤 川 隆 夫衆議院議長  伊 吹 文 明 様参議院議長  山 崎 正 昭 様内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様総務大臣   新 藤 義 孝 様財務大臣   麻 生 太 郎 様内閣官房長官 菅   義 偉 様  ――――――――――――――――― ○議長(藤川隆夫君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議員提出議案第1号及び第2号については、委員会付託は省略して会議で議決したいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 これより、議員提出議案第1号及び第2号に対する提出者の説明を求めます。 松田三郎君。  〔松田三郎君登壇〕 ◆(松田三郎君) 自民党県議団政審会長の松田三郎でございます。 民主・県民クラブ、公明党、そして自民党の共同提案であります議員提出議案第1号生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置きを求める意見書並びに同2号平成26年度税制改正に関する意見書についての提案理由の説明を行います。 内容の説明の前に、何ゆえ先議が必要かといいますと、端的に申しまして、閉会日の10月4日を待っていては間に合わないからであります。多くの報道等によりますと、安倍総理が消費税を、法律どおりではありますが、上げるという決定を、早ければ10月1日にも表明する可能性が非常に高い。そして、その場合、経済対策がセットで発表され、その関連で、平成26年度税制改正の議論が前倒しで行われているという状況だそうであります。このような状況下で、意見書提出が10月1日を過ぎてしまったら、間の抜けた話でありますし、議論の方向性が固まってからでは遅過ぎるのであります。加えて、県内の市町村からの要望も強いことなどを鑑みますと、できるだけ早い段階で地方から声を上げる必要があるとの考えから、提出に至った次第でございます。 中身につきましては、一読してもらえばわかる案文にしておりますが、まず、第1号生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置きを求める意見書についてでありますが、実は、3%から5%に上がる前の平成8年9月にも、我が熊本県議会は、同趣旨の意見書を提出しております。 増税分を価格に転嫁することが困難な1次産業従業者にとっては、増税がすなわち所得の減少につながり、国民生活に不可欠な生鮮食料品の安定供給に重大なダメージを与えることは確実であります。 したがって、農業への配慮、消費者の負担軽減などの観点から、一定の軽減措置が必要ではないかと考え、生鮮食料品について、税率据え置きを求める内容となっております。 次に、第2号平成26年度税制改正に関する意見書について説明いたします。 昨年12月、政権交代以来、いわゆるアベノミクスにより、我が国経済に明るい兆しが見られるものの、その効果はいまだ地域経済の活性化に及んでいる状況にはありません。 本県におきましても、個人消費が底がたく推移しているほか、製造業の生産が緩やかな回復を見せ、労働需給面の改善が続いているものの、雇用・所得環境は総じて厳しい状況にあり、景気回復を実感できるまでには至っておりません。 このような状況下で、政府の経済政策の効果を地域経済にも及ぼすためには、国と地方が連携、協力して、地域における内需振興や投資、消費、雇用の拡大に向けて積極的に取り組む必要があり、そのためには、基盤となる地方税財源の確保が何よりも重要であります。 しかしながら、現在、国では、消費税増税に伴う経済対策として、償却資産課税の見直し等について、平成26年度税制改正の議論が前倒しで行われており、地方財政の減収を伴う検討が進められております。 成長戦略の柱となる設備投資減税の一環として議論されている償却資産課税の抜本的見直しにつきましては、固定資産税は市町村の重要な基幹税目であり、償却資産課税制度が縮減、廃止されれば、市町村の財政運営に極めて重大な影響を及ぼすこととなることから、現行制度の堅持を求めるものであります。 また、平成26年度税制改正で見直しに係る具体的な結論を得るとされている車体課税につきましても、自動車取得税が都道府県にとって貴重な自主財源であるばかりでなく、税収の約7割が市町村へ交付されております。自動車重量税も、税収の約4割が国から市町村へ譲与されており、いずれも市町村にとって重要な安定財源となっていることから、見直しに当たっては、代替税財源の確保を同時に実施することを求めるものであります。 以上が提案理由でありますが、議員各位におかれましては、御賛同賜りますようよろしくお願いを申し上げまして、3会派代表の提案理由の説明といたします。 ○議長(藤川隆夫君) これより質疑に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内でありますので、さよう御承知願います。 松岡徹君。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 日本共産党の松岡徹です。 議員提出議案第1号生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置きを求める意見書に対する反対討論を行います。 反対する理由の第1は、意見書が、来年4月からの消費税8%への増税、それについての10月1日とされる安倍首相の表明を認める前提に立っていることであります。 参議院選挙では、消費税増税は争点になりませんでした。消費税増税を国民は認めたわけではありません。選挙後の世論調査では、増税を予定どおりに実施すべきだは2割から3割で、中止すべきだ、先送りすべきだが7割、8割と圧倒的多数であります。 内閣官房参与などの政府関係者からも、予定どおりの増税に反対する意見が出されています。これまで増税を主張してきた大手新聞も、社説で「「来春の8%」は見送るべきだ」――読売、8月31日付社説、「消費増税の環境にない」――東京、8月13日付社説、などと主張しています。 県議会として今発すべきは、増税前提の対応ではなく、国民、県民多数の思いに沿って、4月からの増税中止を求める意思を示すことであります。 理由の第2は、消費税増税を容認すれば、取り返しのつかない事態になるのは明らかです。 安倍政権が強行しようとしている消費税増税は、来年4月に現在の税率5%を8%に、再来年10月には10%に引き上げようというもので、8%への引き上げだけで8兆円、10%で13兆5,000億円もの大増税計画です。 これは、1997年の大増税を上回る、まさに史上最大の増税です。これほどの大増税を、わずか3カ月あるいはことし1月からの半年余りの経済動向で判断するなど、無責任きわまりないことです。 消費税を3%から5%に増税した1997年は、国民の所得は着実にふえ続けており、増税に先立つ1990年~1997年には、労働者の平均年収は50万円ふえていました。それでも、2%の消費税増税を含む9兆円の負担増で、日本経済は大不況に陥ってしまったわけです。 今、日本経済は、長期にわたるデフレ不況の中です。1997年をピークに、国民の所得は減り続け、労働者の平均年収は70万円も減りました。最近でも、労働者の月給が14カ月連続で前年を下回っています。 一方で、物価だけが上がり、暮らしはますます大変になっています。中小企業は、消費税を販売価格に転嫁できない上に、円安による原材料価格の上昇を価格転嫁できないという二重の苦しみの中にあり、消費税が増税されたら店を畳むしかないとの悲痛な声が広がっています。消費税増税は、国民生活と経済を取り返しのつかない事態に追い込むことになります。 理由の第3は、消費税を増税しても財政はよくならないということです。 予定どおり増税しないと、財政に対する信頼が失われるリスクがあるなどと言われていますが、増税すれば財政がよくなるという前提自体が間違っています。増税で景気が悪化すれば、他の税収が消費税増税分以上に落ち込んでしまうからです。 実際、1997年に消費税を2%、5兆円増税したとき、消費税以外の税収は、増税後3年目には11兆4,000億も減っています。大不況で税収が落ち込み、加えて景気対策として法人税、所得税を減税したからです。 歳出でも、景気対策の名で大型開発の投資が行われました。歳入減と歳出増によって、国と地方の長期債務残高は、増税後3年間で449兆円から600兆円にふえ、財政危機をさらに悪化させたわけであります。 理由の第4は、政府が、消費税増税表明とセットで、経済対策と称して大企業減税、大企業優遇策を打ち出す一方、社会保障の削減を強行している問題です。 法人税減税で最も恩恵を受けるのは大企業です。国民と中小企業が消費税の増税で損害をこうむる一方で、大企業が減税で内部留保をさらにふやすなど、許されることではありません。 復興特別法人税は、東日本大震災の復興財源に充てるために、2012年度から3年間の期限で上乗せ徴収しているものであります。今検討されているのは、14年度末の上乗せ終了予定を1年前倒しして、13年度末に特別税を廃止しようというものです。 復興財源としては、国民に対しては所得税と住民税が増税されています。所得税は、37年12月までの25年間、住民税は、23年度末までの10年間上乗せされます。こんな不公平は断じて認められません。国民には消費税増税をしながら、国民生活を支える安全網である社会保障の削減が進められています。 安倍内閣は、介護保険改悪を初めとする社会保障の大改悪計画である社会保障改革プログラム法案骨子を、8月末、閣議決定しています。この案には、医療、介護、年金、子育ての各制度の改悪を確実に実行するためのスケジュールが示されています。 8月から、3年間で総額670億円の生活保護費削減が始まり、10月からは、高齢者と障害者の年金額を段階的に2.5%切り下げる減額が開始されます。連動して、ひとり親家庭を対象に支給される児童扶養手当、障害のある子供への手当、被爆者の9割が受給している健康管理手当の削減も実行するとしています。 特別養護老人ホームに入所できるのは要介護3以上、要支援1、2は介護保険給付の対象から除外する計画です。消費税増税の国民向けの理由づけだった社会保障の財源ということが偽りだったことは、今や明白であります。 以上、安倍首相が判断するとしている消費税増税の不当性の幾つかを指摘しました。安倍首相が、仮に10月1日、来年4月からの8%への増税を表明したとしても、臨時国会での論議、国民世論などによって変更の可能性は十分にあります。 県議会として、消費税増税を前提にした対応策の要望という姿勢ではなく、国民多数が望む来年4月からの増税ストップとの立場に立って、意思を示すことを改めて求めるものです。 以上で議員提出議案第1号生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置きを求める意見書に対する反対討論を終わります。 ○議長(藤川隆夫君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、議員提出議案第2号を採決いたします。 原案のとおり可決することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第2号は、原案のとおり可決いたしました。 次に、議員提出議案第1号を起立または挙手により採決いたします。 原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。  〔賛成者起立または挙手〕 ○議長(藤川隆夫君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議員提出議案第1号は、原案のとおり可決いたしました。    ――――――○―――――― △日程第5 休会の件 ○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第5、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 明26日は、議案調査のため、27日は、各特別委員会開会のため、30日から10月2日までは、各常任委員会開会のため、3日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、明26日、27日及び30日から10月3日までは休会することに決定いたしました。 なお、28日及び29日は、県の休日のため、休会であります。    ――――――○―――――― ○議長(藤川隆夫君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る10月4日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第7号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時38分散会...